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駅の地下ホームで、エレベーターとエスカレーターを探したが見つからない。
已む無く、重いスーツケースを持って階段を上った。地上に出ると、大きな十字路
があり、直線距離で100mくらい、斜向かいにホテルが見えた。
「これは近くて、良かった」と喜んだが、それは、ぬか喜びだった。

斜向かいのホテルまで、十字路を渡って行く、地上の横断歩道が見えない。
この十字路は「Centrum」と呼ばれていて、ワルシャワの中心地、最も交通量の
多い地点である。路面電車、バス、一般車両の通行が最優先で、歩行者は、一旦
階段で地下に下りて、地下道を通り、十字路の各方向、それぞれの階段から地上
に出る仕掛けになっている。

ところが、その構造も、後で分ったことで、見知らぬ町に到着したばかりの旅行客
には知る由もない。地下に下りる階段の入口には屋根が付いていないので、地下道
への階段がどこにあるのかが分からなかった。

遠くに横断歩道を歩いている人々の姿が見えたので、不案内のわれわれは、その
横断歩道のある所まで、スーツケースを牽いて、1ブロック逆方向に歩いた。
横断歩道を、反対側歩道に渡った。そして、反対側歩道を1ブロック戻る形で
ホテルに向かった。石畳みの歩道を、スーツケースを牽いて歩くのは、至難である。

再び、先ほどの十字路に着いた。20分前、駅の地下ホームから地上に出てきた時の
車道の反対側地点である。人々の動きを見ていると、地下通路に下りる階段がどこに
あるのかが、初めて分かった。この構造が最初から分かっていれば、こんなに歩かな
くて済んだのにと悔んだが、後の祭りである。
「旅は、失敗の連続である」と、自分に言い聞かせた。

(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l