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オリーヴァ大聖堂での洗礼式を観て、ホテルに帰ることにした。
大聖堂に来る時に通ってきた、広いオリーヴァ公園の中を戻り、路面電車の停留所に
着いた。この停留所は、路面電車の終点と思い込んでいたので、どの電車に乗っても、
折り返し運転で、グダンスクに戻ることが出来ると思っていた。

午前中、この停留所で降りた時、線路を見ると、ループ状になっていて、車両が折り
返して行くように見えた。ループ線の端から、折り返し線とは別に、一本の線路が
延びていたが、これは車両基地に向かうための引き込み線だろうと思った。この思い
込みが、悲劇の始まりだった。

少し待っていると、路面電車がやって来た。どの電車もグダンスクに折り返して行くと
思い、その電車に乗った。
ところが、この電車は、引き込み線と思い込んでいた線路に入っていった。実際の運行
に使われていたのだ。この停留所は、終点と言えば終点だが、電車によっては、ここで
折り返すものと、もっと先にある本当の終点を目指して走って行くものとがあるのだと
気付いた。

間違いや勘違いも、ときに、良い経験にもなる。
一つ目の駅で降りて、反対方向の電車に乗って、グダンスクに戻ることにした。われわれは
「24時間有効」のチケットを持っていたので、乗り間違いがあって、何回乗り降りしても
自由である。これで、13ヅオチ(約390円)は安い。
間違った電車に乗ったことに気づき、元に戻るため、一駅目の停留所で降りると、そこは
住宅街を走る道路と路面電車の線路が十字に交わる交差点のような場所だった。
停留所に立つと、風景が一挙に開けた感じで、真っ青な空、木々の緑、家々の白い壁、電車
の真っ赤なライン、そのコントラストは何とも言えない美しいものだった。
今でも、あの風景は忘れられない。

(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l