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グディニアの町は、5月も半ばだというのに、寒風が吹いていた。
駅前でバスを待つ人々は少なく、彼らは皆んな厚いコートをまとっていた。
われわれも、グダンスクのホテルを出るとき、相当寒いと感じたので、コートと
マフラーを持ってきていた。早速、それを着て、海辺の公園に向かうバスを探した。
しかし、バス停の表示はポーランド語だけで、全くわからない。

仕方なく、歩くことにした。歩けば、町の様子も知ることができる。
空は曇っていたので方向感覚が取れないが、電車は北に向かって走って来たから、
電車の進行方向の右手、即ち、東に向かって歩けば、海岸に出るはずだ。

4ブロックくらい歩いたところで、大型船の積み下ろし岸壁が見えてきて、行止り
となった。困り果てていると、通りすがりの年配の女性が、英語で声を掛けてくれた。
公園は、右に1ブック歩いたら、そこを左に曲がるのだと、教えてくれた。

海岸の公園には、幾つかのモニュメントがあり、晴れていれば素晴らしい眺めだろう
と思われたが、生憎、この日はどんよりと曇っていて寒く、駐車場はガラガラ、散歩
する人もほとんどいない。それでも、20人ほどの小学生のグループが2組、先生に
引率されて、ピクニックに来ていた。後で分ったことだが、彼らは、ピクニックが
主目的ではなく、公園の端にある水族館の見学に来ていたようだった。

海岸に立つと、左手には、大型貨物船が浮かぶ遥か向こうに、バルト海に突き出ている
ヘル半島の先端が見えた。右手に目を移すと、岸壁に座って、釣りを楽しんでいる人が
数人いて、そのちょっと先には、コンクリートブロックの上に「人魚姫」ならぬ、「思索
する少女」のような像が建っているのが見える。

ここに立っていると、とにかく、寒い。
早々に海岸を離れて、水族館に向かった。「リニア割引」で入館することが出来た。
バルト海に生息する生物を中心に展示されている。ここでも、解説はポーランド語のみで、
それぞれの展示物の標題だけは英語の表記があるので、それを頼りにして観て回った。
幼稚園児や小学生などの団体で館内は賑わっていて、先生の制止にもかかわらず、子ども
たちのおしゃべりと悪ふざけが終わらないのは万国共通である。

(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l