(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2011年08月

台湾国際放送日本語課が危急存亡のときにある模様である。
同局の日本語番組では,8月26日に放送された 『お便りありがとう』
の中で,2人の女性アナウンサーが8月末で退職して他業種に転職し,
もう1人の男性アナウンサーはフリーランサーに切替わって番組制作に
あたること,更に非常勤スタッフ2人も同時に退職することを発表した。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/30207866.html

当日の番組は,同局のウェブサイトでアーカイブを聴くことが出来る。
http://japanese.rti.org.tw/default.aspx

番組の中で,彼女たちが他業種に転職する理由が 『待遇問題』 に
あることが語られ,それに伴い,9月以降の日本語課のスタッフは
極少数となることなどから,日本語番組の制作が困難になるのでは
ないかと心配する,リスナーの声が広がっている。

日本短波クラブ (JSWC-Japan Short Wave Club) では,会員だけ
ではなく,リスナー皆で台湾の関係当局に対して 『台湾国際放送
日本語課の危機を乗り越えるための施策の実現』 を要請しようと,
呼び掛けている。

当面は,大使館機能を有する東京の台北駐日経済文化代表処の
許國禎広報部長に対して 『要請文』 を送り,それが代表処代表を
経由して本国政府の関係機関に上申される形が提案されている。

■ 要請文の送付先
  〒108-0071 東京都港区白金台5-20-2
  台北駐日経済文化代表処
  広報部長 許 國 禎 様

  電話 : 03(3280)7840~8 ,7916
  FAX : 03(3280)7926
  e-mail : information(アットマーク)roc-taiwan.org

  代表処のウェブサイトTOP右上 『問合せ』 からも
  送ることができる。
  http://www.taiwanembassy.org/JP/mp.asp?mp=202

チェコの Radio Prague は本年8月31日,短波放送開始75周年を迎える。
同局では,これを記念する様々なイベントを行ない,記念特別ベリカードも
発行すると言う。

米VOA放送のキム・エリオット氏の主宰するウェブサイトが,Radio Prague
の情報として紹介している。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=11915

Radio Prague の短波放送は本年1月に終止符を打ったものの,北米地域で
は現在も Radio Miami International を中継して,英語とスペイン語の番組を
聴くことが出来ると言う。
http://www.radio.cz/en/static/about-radio-prague/how-to-listen-to-radio-prague

KBS日本語放送の人気長寿番組 『玄海灘に立つ虹』 は8月30日,
珍しい声のオープニングアナウンスを流し,30年前のアーカイブを
誤送信したのではないかと,リスナーを驚かせた。

『親だぬき』 の愛称で親しまれたキム・ソンボム (金聖範) さんと
『子だぬき』 の愛称で人気を博したパク・クムス (朴錦穂) さんが
ゲスト出演して,名コンビが担当した 『玄海灘に立つ虹』 を振返り,
想い出に残っているリスナーの名前などを語った。
『BCLブーム』 世代のリスナーにとっては,懐かしい声であろう。

この番組は,KBS日本語班のホームページでも聴くことが出来る。
http://world.kbs.co.kr/japanese/

KBS日本語班編纂の 『KBS日本語放送半世紀の物語』 (2005年
12月発行) には,キム・ソンボム (金聖範) さんは1968年3月から
1983年11月まで,パク・クムス (朴錦穂) さんは1981年11月から
1984年1月まで,それぞれ在職したと記載されている。

アジア放送研究会 (Asian Broadcasting Institute) は8月21日,東京都内において
『第33回近隣諸国放送研究フォーラム』 を開催した。
http://www.abiweb.jp/act/forum2011.htm

このフォーラムは午前10時から午後5時過ぎまで,濃密なスケジュールで行われ,
同研究会の会員および非会員を含む多数のリスナー・研究者が参加した。

主な講演内容は,次のとおり。
  ・ 3月11日の放送を振り返る
  ・ 非常時の放送運用の仕組みについて
  ・ 海外日本大使館における非常放送について
  ・ 韓国の民防衛訓練と放送
  ・ FM-DX局 局名確認方法の研究
  ・ 台湾からの日本語放送の歴史
  ・ 四つの謎 ~中国国際放送の歴史から~
  ・ マラヤ革命の声放送の歴史研究

参加者には,本フォーラムの講演予稿集,同研究会の月報8月号の他,韓国の
ラジオ局の社歌,ジングル,IDなどを収録したCD,東京のラジオ・FM・テレビ
各局の放送開始アナウンスなどを収録したCD,台湾国際放送の開局40周年と
50周年を記念して放送れた特別番組のスタジオ録音のMDなどが配布された。

アジア放送研究会のウェブサイトは,次のとおり。
http://www.abiweb.jp/

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( 当ブログ子 : 注 )
このフォーラムへの参加は,昨年に続き2回目である。
専門性の高い数々の講演の中で,特に関心を持って聴いたのは,『3月11日の
放送を振り返る』 と 『四つの謎 ~中国国際放送の歴史から~ 』 の二つであった。

当ブログ子は,3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生時には,連れ合いが
病み上がりだったこともあり,テレビの報道を静かに視ているだけで,国内外の
ラジオ局が,この未曽有の大震災をどのように伝えたかをチェックする余裕が
なかった。前者の講演は,『3・11』 のラジオ放送を検証する,極めて興味深い
ものだった。

後者の講演は,様々な文献資料を基に,中国国際放送の 『日本語による放送
の開始日はいつか』 を問うもので,この問題については当ブログ子自身も一つの
疑問を持っているので,後日,改めて書いてみたいと思っている。

台湾国際放送は8月26日,『お便りありがとう』 の中で,荘麗玲,高野華江の
両アナウンサーは転職のため,8月いっぱいで同局を退職すると発表した。
なお,駒田英アナウンサーは9月以降フリーランサーとして番組を担当する他,
羅友辰さんともう一人のスタッフも,番組制作から離れることになった。

番組の中て,荘麗玲さんは 『1998年に入局して以来,皆様から温かい応援の
メッセージをいただき,感謝しています』 と語った。又,高野華江さんは『2008
年8月に入局してから3年間,ときに厳しく,ときに優しく,海の向うから,温かく
見守ってくれたリスナーの皆様に感謝します』 と振り返った。

『ベトナムの声』 日本語放送は8月25日,『おしゃべりタイム』 の中で
リスナーのお便りに答え,同局日本語課アナウンサーの最近の動きを
紹介し,次のようなメッセージを放送した。

( フォン・ビーさん )
私,フォン・ビーは16年間,日本に住んでいるベトナム人です。
現在は帰省し,2週間ほど,VOVで職業体験を行なっています。
短い期間ですが,どうぞ,よろしくお願いいたします。

( トゥ・ファさん )
入局してから,今年で17年目になります。
入局以来,『音楽散歩道』 や 『リクエスト音楽』 を,主に担当しています。
しかし,2007年1月から3年間,VOV東京特派員のため,アナウンサー
を一時的に離れていました。
1年半前に,東京特派員の任務を終了して,又,元の仕事を務めています。
どうぞ,よろしくお願いいたします。

スタッフの顔写真入りベリカードに,この2人が載っていないことから,
番組の中で紹介してくれたものである。
トゥ・ファさんについては,『BCLライフ2010』 の132頁に,VOV東京
支局長 (当時) として紹介されている。

※ この話題については,岩手県の伊藤甲一郎さんと埼玉県の岩沙一彦さんから,
  関連情報をいただきました。お二方,いつも有難うございます。

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米 Radio Free Asia からの情報によれば,同局は東京で開催される
『ハムフェア2011』 に合わせて,記念特別ベリカードを発行する。
8月26日 00:00UTC-8月29日 24:00UTC の4日間に期間
限定して発行される。
同局の放送開始15周年記念ベリカードのデザインをベースにして,
『ハムフェア』 のロゴを配したものである。

( 2011-08-28 情報更新 )
先週22日から,宮崎県のシーガイアに旅行してきた。
滞在先のホテルでメールをチェックしたところ,KBSから電話出演
のお誘いが届いていて,宮崎はパーソナリティの一色まゆみさんの
生まれ故郷でもあると言うことからトントン拍子に進み,土曜日放送
の 『おしゃべりラジオ』 に電話出演させていただいた。
旅先での,思わぬプレゼントに,感謝している。

なお,当日の番組は,次のサイトで聴くことが出来る。
http://world.kbs.co.kr/japanese/program/program_happy.htm

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( 2011-08-22付『おしらせ』記事 )
日頃,当ブログをご覧いただき,有難うございます。

都合により,8月22日から28日まで,当ブログは
情報更新をお休みします。

この間にコメントをお寄せくださった方には,後日,
返信コメントを書きますので,ご了承願います。

なお,8月21日に開催された 『アジア放送研究会』
のフォーラムの模様は,後日リポートする予定です。

2011-08-22             管理人 Hosoya

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このカードは1999年に,韓国KBSから届いたものである。

この年は,韓国では 『建造物の年』 とされ,それに関連する
建造物などがベリカードに採用されていた。

上の写真は 『華虹門』 で,ソウル南方の水原市に現存する
華城の城壁の中にある石橋である。18世紀に建造された。
下の写真は,仏国寺,高層63ビル,製図用スケールなどを
デザインしたものとなっている。

なお,『1990年代ベリカード』 の紹介は,今回を以って一つ
の区切りとし,次回からは 『国内放送局のベリカード』 を紹介
します。引き続きご覧いただければ,嬉しいです。

( 1990年代ベリカード : 過去記事一覧 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1031160.html?m=l

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このカードは1998年に,韓国KBSから届いたものである。
カードの写真は,朝鮮王朝時代の王と王妃の位牌を祭る王室の
建物 『宗廟』 での祭礼の入場場面である。

このカードでは,裏面に注目したい。
簡単な受信データと 『宗廟』 の解説の他に,『玄海灘に立つ虹』 で
お便りを紹介してくれたパーソナリティの 『愛称入りサイン』 が手書
きされている。
金孝宣 (キム・ヒョソン,愛称 : ラッコ) さん,金哲秀 (キム・チョルス,
愛称 : オニギリ) さん,お二人のサインである。

KBS日本語班 ――
手数を惜しまず,ベリカードにサインをしてくれると言うのは,この年
あたりから始まったリスナーサービスで,現在でも続いている。

( 1990年代ベリカード : 過去記事一覧 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1031160.html?m=l

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