カタールの首都ドーハに向けて,カタール航空172便は,静かに滑り出した。
遥か向こうの地平線に夕焼けを見ながら,長かった旅の一コマ,一コマを想い出して
いた。
意外に空席が目立つ。われわれは,3人席の窓側と中央の席で,トイレに立つときに
困るなあと気になっていたが,通路側の席は空席となっていて,2人で3人分を使うこと
ができ,助かった。
食事がすんで,機内の照明が落ちると,隣りのブロックに座っているお客などは,3人席
をベッド代わりに独り占めして,毛布を掛けてぐっすり眠ってしまい,ドーハに着陸するまで,
目を覚まさなかった模様である。
ドーハに到着し,東京行きの便の出発時刻まで1時間半ほどあるが,乗り換えの客も
改めて,手荷物検査を受けなければならず,これに時間を費やしてしまい,ギリギリで
間に合った。
羽田行きカタール航空812便のロビーには,日本人の旅行客が大勢待っていた。
欧州,中東,アフリカなどの各地から,ドーハを経由して,日本に帰る人たちであろう。
あちこちから,友だち同士の,家族連れの,楽しかった旅の想い出話が聴こえてくる。
ロビーに設置されたテレビでは,地元のアルジャジーラTVが,イギリス・マンチェスター
で起きた爆発事件について,現地から生中継していた。
事件の起きたのは,前夜,われわれがストックホルムを発った直後の時間だったようで,
それを知らないまま,ドーハまで飛んできたことになり,本当に驚いた。
無事に東京に帰ることができるよう,祈るばかりである。
( 『北欧旅行記』 一覧 )
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1135795.html?m=l
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