離陸して間もなく,食事が提供された。
女性乗務員が 『お飲み物は如何ですか』 と言ってくれたので,『ビールをお願いします』
と頼むと,彼女は笑顔で 『えっ,お酒ですか~。この飛行機には,アルコールは積んで
いません』 と言って,缶ビールを出してくれた。
隣席のお客が,宗教上の理由からアルコールを避けてジュースを頼んだのに,『あなたも
同じでなくて良いのか』 とジョークを言ったようで,『でも,私はビール!』 と答えると,皆んなで
笑い出した。
本当は,隣りの客にならって,アルコールは遠慮すべきだったのではないかと,今になって,
反省している。
そんな会話がキッカケとなって,隣席の男性客といろいろな話をすることになった。
彼は,40歳代くらいに見えた。乗務員とは英語で話していたので,どこの国の人かなあと思い,
『お国はどちらですか』 と尋ねると,『ルワンダです。日本語を話せます』 と日本語で答えてくれた。
手続きは大変だったが,日本政府から難民認定を受けて,日本には20年ほど暮らしていること,
奥さんは日本人で,難民支援をしている団体を通じて知り合ったこと,今は,自分で始めたビジネス
が順調で,5歳の子どもに恵まれていることなどを話してくれた。
ルワンダには,様々な航空会社が乗り入れているが,比較的低料金のカタール航空を利用して,
ときどき母国ルワンダと日本を往復しているらしい。
帰りの機内で,思わぬ出会いがあり,シリアスな国際問題を再認識させられたが,これが旅行の
面白さであり,今回も良い旅ができたと思う。
( 『北欧旅行記』 一覧 )
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1135795.html?m=l
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