利用することになるが、そのルートを十分に確認できない時には、地図を
片手に、ひたすら歩き通すことが多い。
ところが、旅先で見かける若い人たちは、地元の人も、外国からの観光客も、
スマホを手に自分の位置と目的地を確認して、スイスイ歩き回っている。
われわれは、もう、時代の変化に追いつていくことが出来ない。
初めて訪れる街では、第一日目は、案内図などを元にして、その街の概観と
主要交通機関のルートを頭に入れることで時間が過ぎてしまう。二日目に
なると、街の雰囲気もわかり、人々の動きにも慣れ、その流れに逆らうこと
なく歩くことができるようになる。
ワルシャワの街では、地下鉄と路面電車をひんぱんに利用した。
切符は、地下鉄、バス、路面電車の共通券で、幾つかの種類に分かれている。
われわれは、その日の行動予定に合わせて、近くに出掛ける時は「20分券」
(約100円)、少し離れたところに出掛ける時は「75分券」(約130円)、
地下鉄と路面電車を何回も乗ることになる時は「24時間券」(約450円)を
購入した。
電車などに乗ると、車輛のドア付近に刻印機があって、切符をその機械に差し
入れて、切符に有効期限の日時を印字させなければならない。
ところが、ある時、「なるほど…」と思う光景に出会った。切符を刻印機に入れ
ない人がいるのだ。初めのうちは、あの人たちは「月間パス」か「年間パス」を
持っているから,刻印の必要がないのだろうと思ったが、そうではなかった。
ある青年が、一駅を通過した後になって、切符を刻印機に入れたのである。
こうすれば、切符の有効期限が、実質的に延びることになる。ところが、この行為
には危険が伴う。刻印前に、抜き打ちでやってくる車内検札に遭遇すると、高額の
罰金を科せられるのである。
(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l