われわれが次に訪れるクラクフと並び、ポーランドが世界に誇る文化、歴史、観光の
一大拠点である。この町は1000年以上の歴史を誇り、14世紀にはハンザ同盟の
自由都市として繁栄を謳歌したという。旧市街は、ゴシック、ルネッサンス、バロック
といった各時代の建物で埋め尽くされており、当時の繁栄ぶりを今に伝えている。
知らない町を歩くには、先ず、観光案内所で地図をもらうことから始まる。
ガイドブックを読むと、グダンスクの旧市内に観光案内所があることがわかったが、そこ
まで歩くには相当に遠いと思われた。しかし、町に着いたばかりで、バスの運行ルートが
わからない。そこで、時間を掛けても、ゆっくり歩いて行くことにした。その方が、町の
雰囲気もわかり、様々な観光施設などの位置関係も覚えられる。
観光案内所で、何種類かの地図やリーフレットをもらって、旧市街のメインストリートを
歩き始めた。旧市街の様々な建物の中で、最も目立つのは「市庁舎」である。
現在は世界遺産に登録され、内部は歴史博物館となっている。「市庁舎」は3階建の建物と
82mの尖塔で構成され、世界遺産に登録されているという。
その内部は「グダンスク博物館」となっている。中でも、その昔、町の評議会が開かれた
「赤の広間」と呼ばれる部屋の装飾や天井画には目を見張るものがある。
しかし、ラジオファンにとっては、博物館に入って直ぐの部屋に展示されている、ラジオや
テープレコーダーの数々に釘付けになってしまう。展示の趣旨はポーランド語で掲示されて
いるので理解出来ないが、観ているだけで楽しくなる。
市庁舎の中庭に出たところに、突然、一人の男性スタッフが「コンニチハ」と話しかけて
きた。そして、スマホに保存してある愛犬の写真を、われわれに見せ始めた。何が何だか、
わけが分からず、あっ気に取られているわわれわれに、彼は「ショウグン」とか、「ヨコヅナ」
とか、「トサケン」と言った言葉を連発する。
推察するに、彼は大変な日本贔屓で、愛犬家なのだろうと思われ、化粧まわしをまとった、
横綱らしい堂々とした姿の犬の写真を初め、数枚の写真を自慢げに見せてくれた。これらの
犬は、日本で行われた闘犬の大会で優勝したのであろうか。
彼はどうやって、この犬をポーランドまで連れてきたのであろうか。
彼の自慢話が終わったところで、市庁舎の尖塔から市街を眺めるため、階段を上り始めた。
(「ポーランド旅行記」一覧)
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