この建物は、1379年に着工し、1561年に現在の尖塔が完成したという。
3度にわたって火災や戦災に見舞われたが、それにもかかわらず、威容を誇って
いる。
前回書いた、「土佐犬」を自慢していた男性スタッフに尋ねたところ、この尖塔の
階段は240段あるという。ネット情報では、400段と言う説もあるようだ。
老朽化のため、所々欠落しているレンガ造りの階段を、つまづいたり、滑ったり
しないように、細心の注意を払いながら、途中で休み、休み、ゆっくり、ゆっくり
と上った。
かつては、ニューヨークの自由の女神や、スペイン・セビーリャの大聖堂などで
200段余りの階段を上ったことがあるが、やはり寄る歳波には勝てない。
しかし、尖塔の最上部でドアを開けて表に出ると、東西南北、文字通り360度、
グダンスクの新旧の街並みが一望でき、疲れはすっかり吹き飛んだ。
直ぐ下に広がる旧市街は、おとぎの国にやって来たのでないかと錯覚するような
眺めである。旧市街のメインストリートを歩く人々の姿が米粒のように小さく
見える。
遥か向こうには、新市街や住宅地も見えるが、町並み保存の建築制限があるのだ
ろうか、高層のビルはほとんど見えない。
「ヨーロッパの街並みだなあ」と、改めて感慨にふける。
残念なことが一つ。
この尖塔からは、晴れた日には、遥か北方にバルト海を望むことが出来るらしいが、
この日は霞がかかり、バルト海を見ることが出来なかった。
(「ポーランド旅行記」一覧)
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