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オリーヴァ公園の中を20分ほど歩いただろうか。
オリーヴァ大聖堂と思われる建造物は見えて来ないまま、公園の出口に達してしまった。
「大聖堂はどこだろう」と探しているところに、正装した男女の4人組グループが近付
いてきたので、公園に入る時、聖堂の方向を尋ねるのに使った「Archikatedra Oliwska」
と書いたメモ用紙を見せて、「この聖堂は、どちらの方向でしょうか」と尋ねた。

すると、一人の青年が「われわれも、大聖堂に行くところだ」と言うので、彼らの後ろに
ついて行くことにした。5分ほどで、聖堂に到着した。聖堂の前には沢山の車が駐車して
いて、聖堂の入口前には、着飾った大勢の人々が何かが始まるのを待っているように思わ
れた。結婚式でも始まるのであろうか。

「オリーヴァ大聖堂」について、ガイドブックには次のように解説されている。
  オリーヴァ大聖堂の歴史は、1108 年にまで遡ることができる。
  先ず、この場所に僧院が建設され、1178 年になって木造の教会が建てられた。
  その後、13世紀に入って、ロシア人の手で改装されたり、火災に遭って焼失したり
  したが、17世紀になって現在見られるような2本の尖塔をもつ、バロック様式の
  美しい姿に改装された。
  この教会の中にあるパイプオルガンには、7876本もの大小さまざまなパイプが
  使用されている。仕掛けや美しい装飾が施された、このオルガンは、1755年には
  「世界で最も美しい音色のオルガン」に認定されたという記録が残っている。
  深く、柔らかいその音色には、誰もが心を洗われるような気持ちになるだろう。
  年間を通してオルガンコンサートも開かれている。

オリーヴァ大聖堂を訪れた理由は、このパイプオルガンの演奏を聴きたかったからで
ある。

ところが、大聖堂の前で待っている人々を見ると、真っ白なドレスを着た小学生くらい
の小さな女の子が20名近く、中には男の子もいるようで、家族に付き添われている。
これから大聖堂で始まろうとしているのは、結婚式ではなく、子どもたちの洗礼式では
ないかと思われた。両親だけではなく、おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人たち
までお祝いに駆け付けているように見えた。
日本で言えば、「七五三」のお祝いと言った感じなのであろうか。

ノンクリスチャンのわれわれは、洗礼式と言うものに立ち会ったことがないので、この
機会に洗礼式と言うものを実際に見学しようと思い、聖堂に入って、一番後ろの席に座り、
儀式の進行を静かに見守った。最終的には200人くらいの信者や関係者が着席した。

やがて、パイプオルガンの調べにのせて、神父に先導されて子供たちが入場してきた。
神父による聖書講読や説教、聖歌の合唱などがあり、30分ほどで儀式は終了した。
儀式が終わろうとする頃、一人の神父が献金を求めて、参会者の間を回ってきたので、
われわれも気持ちだけのものを献金した。周りを見ていると、献金をしない人たちが
いるのも、世の現実である。
思わぬところで、初めて、キリスト教の儀式に出会うことが出来た。

オリーヴァ大聖堂のホームページは次のとおり。
http://www.archikatedraoliwa.pl/

(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l