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博物館前の広場は、入場を待つ見学者でごった返していた。朝の早い時間帯の入場は
予約なしでも可能らしいが、日中は、予約なしでは入場できないことが多いという。
皆んな、指定された、あるいは予約した、自分の入場時刻を待っているのであろう。

午後2時前、博物館入場棟前で待っていると、横から、ガイドをお願いした中谷剛
さんが現れて、「こんにちは。ちょっと早いので、ここで待っていてください」と声を
掛けてくれた。
「アイ・アム・日本人」の風采から、ガイドを予約してきた日本人の一人だと、直ぐ
わかったのであろう。初対面にも拘らず、余りにも気さくな声掛けに、一瞬、ビックリ
した。私は、「東京の細谷です。よろしくお願いします」と自己紹介した。
中谷さんは、別の用事があったのだろう、直ぐに、その場を離れて行った。

中谷さんは、アウシュヴィッツ博物館で、日本人としてはただ一人、博物館公式ガイド
として20年以上にわたって、この仕事に携わってきた人である。
今年1月に中谷さんにメールを送り、5月中の幾つかの日を希望日に挙げて、中谷さんの
都合を問い合わせたところ、その頃のスケジュールは3月半ばに固まると思われるので、
それまで待ってほしいとの返信があった。3月下旬になって、中谷さんからメールが届き、
見学の日時、集合場所、中谷さんの電話番号、クラクフからアウシュヴィッツまでのバスの
乗り方、運行時刻などを知らせてくれたのであった。

博物館入場棟前で待っていると、近くに、日本人の見学者と思われる人たちが、一人、二人
と集まってきた。ほどなくして、先ほど声を掛けてくれた中谷さんも、そこに戻って来た。
最終的には、総勢20名ほどのグループとなったが、女性の数が多いのが印象的である。
一人旅の若い女性が多いのに驚く。また、われわれと同年代と思われる男一人旅の人もいる。
更に、沖縄からやって来たという祖父母、母、大学生と思われる青年の4人家族もいる。

グループ全員が輪となって、中谷さんから、見学中の注意事項などの説明を受けた。
私は、博物館内で写真を撮っても良いかを尋ねた。中谷さんからは、一部区域を除いては写真
撮影は許される、撮影禁止区域はその都度知らせるとの答えがあった。
午後2時、保安検査のゲートで危険物所持の有無のチェックを受け、博物館に入場した。

入館して直ぐのところで、レシーバーとヘッドフォンのセットが配られる。博物館敷地
にある様々な建物などの見学中は、ガイドの中谷さんが胸元に付けたピンマイクの音声
をレシーバーで受信し、ヘッドフォンで聴くことになる。
大勢の見学者がいて、様々な言語のグループが、同様のスタイルで見学する。

上記写真は、アウシュヴィッツ博物館で販売されている解説書「アウシュビッツ・ビルケナウ
その歴史と今」から引用したもので、アウシュヴィッツ強制収容所の全景である。
右手前の建物が入場棟である。
この解説書は19ヅオチ(約570円)で購入したが、同一内容のものは、博物館のホーム
ページからダウンロードして閲覧できる。
http://auschwitz.org/en/more/japanese/

(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l