ここで3泊して、東京に帰る予定である。
ワルシャワ中央駅の地下ホームから表に出て、街並みを眺めると、われわれは
単なる旅行者に過ぎないのに、路面電車やバスの音を聞き、人々の歩く姿を見る
と、何か懐かしさを感じるから不思議である。
駅のコインロッカーにスーツケースを預けて、ホテルのチェックインまでの間、
大きな公園に行って、ベンチで簡単なランチでも食べ、ゆっくり休むことにした。
ところが、最寄りの地下鉄駅を出ると、ゴロゴロと雷鳴がとどろき、小雨が降り
出してきたので、公園に行くのは諦めて、急いで地下鉄の駅に戻った。
しかし、この路線はワルシャワ中央駅を通っていないので、2つ向こうの駅まで
乗り、そこから中央駅まで3ブロックを歩くことにした。
その駅で地上に出ると、雨は上がっていたが、初めて降り立った駅で、位置関係が
わからず、ウロチョロしていると、向こうから颯爽と歩いて来た一人の女性が声を
掛けてくれた。ワルシャワ中央駅の方向を尋ねると、日本語で丁寧に教えてくれた。
こんなに流暢な日本語をどこで勉強したのだろうかと世間話もしたかったが、沢山
の人々が行き交う路上での立ち話だったし、彼女も先を急いでいる様子だったので、
お礼を言って、別れた。旅先で受ける親切は、本当に有り難いことであった。
(「ポーランド旅行記」一覧)
https://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/1147858.html?m=l