(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2008年08月

米VOAのキム・エリオット氏が主宰するウェブサイトは8月30日,
赤林隆仁氏からの情報などを掲載した他のサイトを引用して,
山田耕嗣氏の死去を伝え,山田氏が『BCLの神様』と呼ばれていた
こと,3月発刊の著作は売切れになったことなどを紹介している。

詳細は,次のサイトをご覧ください。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=4700

KBS日本語放送は8月30日,土曜日の50分枠の番組は,これまでの『たとえば・・・
こんなラジオ』に代わり,9月6日から『おしゃべりラジオ』が登場するとアナウンスした。
これに伴い,『たとえば・・・こんなラジオ』の枠内で放送されてきた『ジンシルの部屋』
も姿を消すことになり,番組全体の進行役を務めてきたラッコさんは,今後は日本語
班のまとめ役に当たるという。

この日の放送では,続いて,新番組のパーソナリティ3人を,次のように紹介した。

(ラッコさん)
きょうは,来週,9月6日から,土曜日の50分間を,皆さんと共にするニューフェースの
3人が,スタジオに集合しました。3人とも,ロングヘアの『美女三銃士』,韓国では『美女
三銃士』というタイトルで紹介されましたが,米国映画『チャーリーズ・エンジェル』から
飛び出してきたばかりのような,3人なんです。自己紹介をお願いします。

(キム・チヨンさん)
日本語の通訳士として,活躍しています。日本に初めて渡ったのは,小学校1年生の
時で,日本では10年くらい生活をしていました。何年頃かは,明かしません(笑)。
今,韓国で,通訳士をしていますが,日本と韓国の架け橋役をしていきたいと思いつつ,
このラジオを通して,より皆様方に近付いて行かれればと思っています。ラジオでは,
楽しく,フリーにやって行きたいと思いますので,よろしくお願いします。

番組では,全体の進行役と,毎週,韓国で起こった幅広いニュースをお伝えする
『ウィクリー・ニュース』と言うコーナーを務めます。ラッコさんの跡を継ぐことになって,
本当に不安が一杯でスタートすることになりますが,3人の力を合わせて,精一杯
頑張りますので,よろしくお願いします。

(チャ・ヨンアさん)
生まれてから12歳まで日本に住み,その後,韓国に帰ってきました。韓国に戻って
からも,カナダやフィリピンなどを周ってきて,去年まで,高校の英語の教師をして
いました。世界を周ってきた経験を元に,ラジオでは,韓国や世界のことについて
語って行きたいと思っています。

番組では,『コリア・タマラン』のコーナーを担当します。
これは,韓国の,ホットで生き生きとした話題や情報を,現場の音と共にお届けする
コーナーです。行きたいスポットや,どこか見て回りたい所がありましたならば,私に
リクエストしてくだされば,私は勢い良く駆けつけて行きますので,お便りをバンバン
くださったら嬉しく思います。

(山田多香子さん)
韓国に来て12年目になる,日本人です。もう,韓国は,私にとっては,なくてはなら
ない存在になっています。大好きな韓国の情報を発信できる機会が与えられて,
大変嬉しく思っています。これからも,頑張ります。

番組では,『勝手に真剣に,コリアファイル』のコーナーを担当します。
リスナーの皆さんが,韓国のことについて気になったことや疑問に思ったことなどを,
お便りで送っていただければ,それについて,私なりに分析してみたり,皆さんと情報
交換してみたいと思っています。反対に,韓国の方が日本について気になることが
ありましたならば,そちらも受付けていますので,ぜひお便りをお願いします。
韓国の『12年選手』として,お話したいと思っています。

(ラッコさん)
もう,声を聴いただけで,今,(3人の顔や姿を)想像できちゃうんですね。
リスナーの中には,ラジオのボリュームをぐ~んと上げてしまった方とか,あるいは,
ラジオのスピーカーに耳を当ててしまった方とか,一杯いらっしゃるんじゃないかと
思います。
メールを打ち始めた方,ペンを取り出した方も,いらっしゃるでしょう。

KBSの日本語ホームページをご覧になっている方は,覚えていらっしゃるかも知れ
ませんが,先月,韓国語による『お知らせ』が載っていました。そのとき,日本の
リスナーからは,どう言う内容か,韓国語のため全然分からないので,日本語で
教えてほしいというメールが,幾つか届いていました。

その『お知らせ』は,正に,今回の3人のニューフェイスを選ぶための,新しいスタッフ
を募集するものだったのです。

どうぞ,この3人を応援してください。

オランダ放送の『Media Network』のウェブログは8月29日,ラジオ
スウェーデンの放送開始70周年の記念特別番組について,次のように
伝えた。

ラジオスウェーデンは9月3日(水),放送開始70周年を祝う記念特別
番組,公開討論会,音楽のライブ中継などを行なうことになっている。

9月3日 12:30 UTC の第一回目の英語放送では,ストックホルムの放送
会館第5スタジオから生放送を行なう。この番組では,同局の往年の名番組
を振り返るとともに,同局の番組でもよく知られてきたアナウンサーや多彩
なゲストが登場して,想い出話をする。

更に,14:00 UTC からのスウェーデン語による特別番組は,これも第5スタ
ジオからの生放送で,沢山の文化人やメディア関係者がパネルディスカッシ
ョンを行なう。

これらの特別番組のうち,12:30 UTC から 16:30 UTC までの分は,インター
ネットでも聴くことができる。また,北米地域のリスナーは,12:30 UTC から
の英語放送を,15240kHzで聴くことができる。

Radio Netherlands "Media Network" のウェブログは,次のとおり。
http://blogs.rnw.nl/medianetwork/

Radio Sweden のウェブサイトは,次のとおり。
http://www.sr.se/rs/english/

北海道新聞などが,8月28日に報道したところによれば,NHKは国際放送
Radio Japan で海外向けに放送している,ロシア語ニュースなどの番組を,
9月1日から北海道根室市のコミュニティーFM局『ねむろ市民ラジオ」』
(FMねむろ)に有償提供するという。

2008/08/29 現在の主な関連サイトは,次のとおり。
北海道新聞 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/114299.html
下野新聞  http://www.shimotsuke.co.jp/news/domestic/culture/news/20080827/42157
東奥日報  http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20080827010005251.asp
四国新聞  http://www.shikoku-np.co.jp/national/culture_entertainment/article.aspx?id=20080827000294
東京中日スポーツ http://www.tokyo-np.co.jp/s/tochu/article/2008082701000525.html

※ この情報は,BCL愛好家『ごた』さんから,提供していただきました。
  ごたさん,いつも有難うございます。
  ごたさんのウェブサイトは,次のとおり。
  http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gota/

VOAのキム・エリオット氏が主宰するウェブサイトは8月28日,
"Integrated Regional Information Network" の27日付け記事を
引用して,ビルマ(ミャンマー)における市民とラジオの関わりに
ついて,概ね次のように伝えた。

Kyaw Kyaw さんは,『ミャンマーでは長い間,ラジオはニュースや
様々な情報-(災害の)復旧支援活動など-の情報源となっています。
私は5ドルで購入したラジオで,他の2家族と一緒に,自分たちの
生命を救ってくれることになるかも知れない,気象情報に耳を傾けて
います。ラジオの情報は,より客観的だと考えている人もいます』と
語っている。

また,Lwin Maung さん(32歳,漁業)は,『私は,国内の政府系
放送と,海外のBBCやVOAのビルマ語放送との,両方の放送を
聴きたいと思っています。よく,BBCとVOAの放送にダイヤルを
合わせます』と語っている。

詳細は,次のサイトをご覧ください。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=4688

海外からの短波放送には,いろいろな楽しみ方がある。

地球の裏側からの微かな電波を捉えて感動する人,『ベリカード』と呼ばれる
受信確認証を収集して喜ぶ人,世界の最新ニュースをキャッチして一歩先を
行く人,遠い異国の現地音楽を聴いて楽しむ人,教養番組で異国の歴史や文化
を勉強している人,語学講座番組で何ヵ国語も身に付けている人,リスナーズ
クラブを起ち上げて放送局スタッフとの交流を深めている人など,その楽しみ
方は十人十色である。

また,海外からの短波放送には,公正中立の報道に徹しようとする放送,
自国政府の影響が色濃く反映されていると思われる放送,キリスト教など
を広めようとする放送など,様々なものがある。

このうち,『宗教系放送』と呼ばれるものは,一般的な短波放送ファンから
は,どちらかと言えば,敬遠されがちである。
しかし,『例外のない例はない』と言われるように,この宗教系放送にも,
例外はある ― 現在は,オーストラリアから放送されている,HCJB日本語
放送である。

HCJB日本語放送は,米国シカゴ在住の尾崎一夫さんが土曜日に,東京
淀橋教会の峯野龍弘・主管牧師が日曜日に,それぞれリスナーに語りか
けている。

尾崎さんのお話は,南米エクアドルから放送されていた時代から,世界中
の多くのリスナーを魅了しており,その庶民性は既に知られているので,
ここでは峯野牧師のお話について紹介したい。

峯野牧師のお話は,ご自身の苦難の人生と,誰もが経験する日常的
な話題とを題材にして,その語りは大変判り易いものとなっている。

職場で,あるいは家庭で,様々な悩みや苦しみを抱えている人も多いと
思われるが,峯野牧師のお話を聴けば,大きな力が湧いてきて,苦しみ
も忘れるだろう。
また,楽しいことが一杯で,こんなに幸せな人生はないと思っている人も,
この放送を聴けば,幸福であることに心から感謝したい気持ちになるに
違いない。

一方で,峯野牧師のお話は,歴史認識や政治の有り様にも言及する。
本年8月前半に放送された,天皇制と宗教の問題,政治指導者の倫理観
に関する問題などは,聴く者の心に強く響くものであった。
海外からの短波放送だけではなく,国内の公共放送や民間放送でも
『教養番組』として再放送してほしいと思うほど,その内容は濃いものだ。

土曜,日曜の朝は,少し早起きして,7時30分から,15525kHzの放送
に耳を傾けよう。

Copyright (C) Hosoya

(関連記事)
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/357432.html

KBS日本語放送は,8月28日のニュースで,次のように伝えた。

放送と通信産業全体を網羅する法律が制定されることになりました。

大統領直属機関の放送通信委員会は28日,放送と通信が融合す
る時代に積極的に対応するため,現在は放送法,電気通信基本法,
情報化促進基本法などに分かれている法律を統合して,仮称『放送
通信発展に関する基本法案』を作り,立法予告などの手続きを進める
ことを決めました。

この統合法案には,放送と通信を,『有線,無線,光回線などの方式
によって,放送通信のコンテンツを送受信する,一連の活動と手段で
ある』と定義し,今後,新しく参入する放送通信技術やサービスを組み
込めるようにしています。

放送通信委員会は先ず,年内に『放送通信発展に関する基本法』を
制定して,放送通信の発展のために必要な政策を決めて,来年まで
に,サービスや競争,利用者保護に関する規制などを盛り込んだ,
『放送通信事業法』を制定することにしています。

『ベトナムの声』日本語放送は8月28日,お便り紹介番組『おしゃべりタイム』
の中で,リスナーからの質問に答えて,次のように伝えた。

現在,ベトナムの声放送局の日本語放送のリスナーは,日本の47の都道府県に
住んでいます。その他に,中国,ロシア,韓国に住むリスナーもいます。

毎月,およそ60通のお便りをいただいています。
そこで,すべての方々のお名前は,読みきれません。
『おしゃべりタイム』の最後に,受信報告をお寄せくださった方々,およそ10人
前後の名前を読むコーナーがあります。

このコーナーを聴いて,リスナーは自らの便りが,私たちのところへ無事に届いた
ことが判ります。

豊富な内容があるお便り,あるいは,ご質問をくださったお便りは,番組の中で
読まれます。
今後も,私たちの放送をお聴きになり,お便りを寄せてください。

元NHKプロデューサー・馬場建次氏が主宰するウェブサイト『Culture Wave 文化の小波』で,
戦後日本の放送体制確立に貢献し,その後,米VOA放送の日本語課長などを務めた,日系
二世のフランク・馬場正三氏の活躍ぶりを紹介するサイトが公開されている。

VOAの日本語放送は,1970年2月にその幕を閉じたが,フランク・馬場氏は当時の日本語
課長で,あの日,馬場氏の古武士然としたお別れアナウンスに,涙したリスナーも多いことと思う。

本年1月,フランク馬場氏は米カリフォルニア州の自宅で,93歳の生涯を終えた。

下記サイトでは,フランク・馬場氏の想い出の写真の数々を見ることができ,また,VOA日本語
放送の最終日に録音された,同氏のインタビュー音声を聴くことができる。

『Culture Wave 文化の小波』 : http://www.cskenvoice.com/

(お詫び)
上記ウェブサイト名を,2008-09-01まで『文化の小窓』と掲載しておりました。
同サイトの主宰者をはじめ,関係の皆様にご迷惑をお掛けいたしましたことを,
深くお詫び申し上げますと共に,正しい表記に訂正させていただました。

NHKのウェブサイトによれば,同局は8月27日,(株)日本国際放送の
新社長に高島肇久氏が9月1日付けで就任する予定と発表した。
同氏は,NHK解説委員長を経て,外務省外務報道官などを歴任した。

NHKは本年3月6日,『全世界に向けて英語でテレビ国際放送を行なう
子会社を設立し,平成20年秋には本格的に業務を開始するする』と発表
していた。

なお,詳細はNHKのウェブサイトのトップ画面右側,『NHKからのお知らせ』
の欄で読むことができる。

今後,NHKラジオの国際放送『Radio Japan』はどうなるのか,BCL愛好家
としては,その動向を注視したい。

※ この情報は,BCL愛好家『ごた』さんから,提供していただきました。
  『ごた』さんのウェブサイトは,次のとおり。
  http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gota/

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