(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2009年01月

KBS日本語放送は1月31日,ワイド番組 『おしゃべりラジオ』 の中で,
同番組から贈呈された 『福袋』 の時計が壊れて届いたと言う,リスナー
からのお便りを紹介し,包装には万全を期したが申し訳なかった,新品を
送り直すので,もうちょっと待っていてほしいと,キャスターのキム・ジヨン
(愛称:スミレ)さんが語った。

KBSは,従来からベリカードの送料を無料としており,また,FAXで受信
報告を送る場合は,電話料金は受信側負担とするなど,リスナー想いの
放送局として知られている。

今回の対応も,その延長線上にあるものと推察され,リスナーとしては,
心から歓迎したいと思う。

いま,世界各国の短波放送局は,インターネットへの転換,デジタル化へ
の設備投資,政府機関からの援助削減などから,財政的に困窮している
放送局が少なくない。

KBSも,その例外ではないと思われるが,それにも関わらず,今回,
リスナー重視の措置が執られたことは,高く評価したい。

われわれリスナーは,各放送局に対して様々な形で受信報告やお便りを
送るなどして,沢山のリスナーが 『ラジオを聴いています』 と言う実情を
積極的に知らせ,ラジオ放送の発展を後押しすべきだと,改めて思う。
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( 過去の 『Myコラム』 リスト )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/90339.html?m=l

イメージ 1

ROK ラジオ沖縄 から,ベリカードが届いた。
1月中旬に,台湾最北端の地で,カードラジオで受信した時の報告に
対する返信で,詳しい受信データと共に,『受信地 中華民国台北市』
と記載してくれている。

デザインは,沖縄の民家の瓦屋根に座るシーサーと沖縄の碧い海を
配したカードで,右上に 『周波数864kHz』,真ん中に同局のキャッチ
フレーズ 『ローカルにねざしたくらしの情報と文化芸能をお届けします』
が載っている。

タイムテーブルの他,過去に使用していたと思われるベリカード2枚が
同封されている。
過去のベリカードには,周波数が 『783kHz』 と記載されている。
ネット情報で調べると,同局の周波数は,1960年の開局当時は780
kHz,1978年に783kHzに変更,1998年に864kHzに変更されて,
今日に至っているようだ。

台湾ラジオ紀行 http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/8435241.html

HCJBの新会長 Wayne Pederson 氏は,『科学技術は,聖職者がその職務を
遂行するにあたり,短波放送ではなく,インターネットやポドキャスティングなど
を用いる方向に向かわせるだろう』 と語った。
また,HCJBの報道資料によれば,エクアドルの首都キトから送信されている
短波放送は,2010年4月1日までには全て終了する。

VOA放送のキム・エリオット氏が主宰するウェブサイトが1月29日,HCJBの
報道資料などを引用して伝えた。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=5771

1960年代後半から70年代前半にかけて,中国では所謂 『文化大革命』 の
嵐が吹き荒れ,『若者は農村から学ぶ必要がある』 のスローガンの下,大学
は閉鎖されて,学生は農村に送られていたと言われる。

そのような困難な中で,日本からの短波放送に耳を傾ける少女がいた。
現在,法政大学国際日本学研究所教授を務める 王 敏(ワン ミン,おう びん)
さんである。
王さんは2005年9月,朝日新聞に次のような論稿を寄せた。(一部抜粋)

  まだ文化大革命が盛んだった32年前,私は,再開した大連外国語学院
  日本語学部に入り,日本の原書や日本人との接触を厳禁される中で日本
  語を学び始めた。夜,周りにびくびくしながら布団の中で日本の短波放送
  を聞いた。小さなラジオは父が1カ月分の給料をはたいて買って送って
  くれたのだった。

  耳をそばだてると,『ふるさと』 や 『さくらさくら』 のメロディーが,せせらぎ
  のような 『和み』 となって心に沁(し)み込んできた。それは,私の日本文化
  の原点にもなっている。
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なお,論稿全文は,朝日新聞のウェブサイトで読むことが出来る。
( 2009-01-29 現在 )
http://www.asahi.com/international/aan/column/050905.html

社団法人日本民間放送連盟は1月28日,『2009年度のテレビ,ラジオ営業収入見通し』 を
発表し,その中で,『2008年度の地上波ラジオ営業収入は,7.4%減,中短波7.1%減,
FM 7.8%減と見込まれる。中短波は12年連続,FMは3年連続の減収見込み』 としている
ほか,『2009年度の地上波ラジオ営業収入は,7.9%減,中短波8.0%減,FM 7.6%
減と予測される』 としている。
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(当ブログ子:注)
発表文書の詳細は,同連盟のウェブサイトのトップページに掲載されている “ What's News ”
の,2009年1月28日付け 『2009年度のテレビ,ラジオ営業収入見通し』 をクリックすれば,
読むことが出来る。
http://www.nab.or.jp/

上記の発表文書に出てくる 『中短波』 の 『短』 は,『ラジオNIKKEI』 を指しているのだろうか。
何れにしても,ここにも,国際金融危機や世界景気の悪化が影を落としていることが窺える。

BBC World Service の南アジア担当部門に働くスタッフは,組織再編計画
などに反対するストライキ権確立に向けて,投票を行なう。
VOA放送のキム・エリオット氏のウェブサイトが1月27日,The Guardian 紙
の記事を引用して伝えた。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=5759

中国国際放送から届いた1月22日付けのニュースレターには,
記念電子ベリカードの発行について,次のように掲載されている。

今年は中華人民共和国建国60周年に当たります。これを記念
して,中国国際放送局日本語部お便り返事係は,中国56民族
を紹介する電子ベリカード(10日ごとに一種類更新する)を発行
することにしており,皆さんからのEメールの受信報告書をお待
ちしております。

来月20日から28日までにいただいたEメールの受信報告書に
は,中国の少数民族では人口が一番多く,広西チワン族自治区
に集まり住んでいるチワン族(約1500万人)をデザインした電子
ベリカードをお送りします。

去年の2月からお届けしている北京五輪のマスコット福娃 (FUWA)を
デザインした電子ベリカードは,2月19日までで発行を終わらせて
いただきます。発行した福娃の電子ベリをリクエストされる方には,
ご希望のものをお送りします。

ABU (アジア太平洋放送連合,Asian-Pacific Broadcasting Union)
の短波放送調整会議は,短波放送促進の一助とするため,短波放送
に関するジャーナルを年一回発行することを決めた。
オランダ放送の "Media Network" のウェブログが1月27日,同連合
からの情報などを引用して伝えた。
http://blogs.rnw.nl/medianetwork/abu-shortwave-group-to-publish-new-journal

このジャーナルが一般リスナーに提供されるかどうかは不明だが,
同連合のウェブサイトでは公開されるものと思われる。
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(当ブログ子:注)
ABUは,1964年にNHKの前田義徳会長(当時)が提唱して,アジア
太平洋地域における放送の発展と相互協力を目指して,設立された。
現在,57ヵ国,194の団体が加盟しており,会長はNHKの今井義典
副会長が務めている。
http://www.abu.org.my/public/compiled/p247.htm?CFID=46447&CFTOKEN=31865668

前田会長は,1961年にケネディ大統領との単独会見なども行なった
ことで有名である。単独会見の実現に尽力したのは,米VOA放送の
日本語課長を務めたフランク・馬場正三氏で,その会見の通訳も担当
した。

その時の写真は,馬場建次氏の主宰するウェブサイト 『文化の小波』
で見ることができる。そのサイトの 『日本の放送を作った男 フランク・
馬場』 の頁にある写真をクリックすると,中央のフランク・馬場氏の写真
の左下隣に,ケネディ大統領,フランク・馬場氏,前田会長の3人が並ぶ
写真がある。
http://www.cskenvoice.com/

台湾国際放送は1月27日,旧正月特別番組の中で,2008年中に
同局に対して,最も多くの受信報告とお便りを送ったリスナーの名前
を発表した。

それによると,第1位は,お便りの部では岐阜県のリスナーで94通,
受信報告の部では東京都のリスナーで708通だった。

これらのリスナーは,同局の第一回目の放送だけではなく,第二回目
の放送や翌日の再放送を聴いて,受信報告を送っているという。

また,電子メールで送るお便りや受信報告だけではなく,直筆の手紙
で送るリスナーも多いと言う。

韓国KBSの,前日本語班チーフのキム・ヘヨン(金恵英,愛称:コアラ)さんが,
1月27日放送の 『玄海灘に立つ虹』 にゲスト出演した。
今月初めに,国際放送チームのエグゼクティブ・プロデューサーに昇任異動
して以降,その声は聴かれなかったが,きょう久しぶりに美声を電波に乗せた。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/8125930.html

この中で,彼女は,今回の人事異動はいつ内示されたのかなどについて,その
ウラ話を披露した。

人事異動の内示は,年末特別番組の 『アナウンサー・オンパレード』 の収録
が終わった後,大晦日の深夜に,電話で知らされ,日本語班に戻れなくなった。
(真夜中の人事異動内示は,過去に例はあったかどうか)は,私にとっても
初めてのケースで,前例は分からないけれども,今回は 『007スパイ大作戦』
並みの人事異動だったと言われている,と語った。

また,『将来,日本語班に復帰することはあるか』 とのヒッカケ質問に対して,
『きょう,この番組に出演して良いものかと思ったくらいだ。なぜなら,明日,明
後日の番組で,日本語放送に戻ってきました,などとならないかと心配で・・・。
2~3年後,5年後ぐらいには・・・。もっと早くなるかも知れないので,よろしく
お願いします』 と,笑い飛ばした。

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