(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2009年04月

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今から34年前の,きょう,1975年4月30日,『ベトナムの声』 日本語放送は,
次のように伝えた。それは,ベトナムが長年にわたる他国からの支配に別れを
告げた瞬間であった。
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(爆竹の轟音)
ホーチミン戦役の勝利を祝う。 (繰り返し) ホーチミン戦役の勝利を祝う。

(爆竹の轟音)
聴取者の皆さん,私たちは,大きな喜びを持って,次のことをお伝えします。

ホーチミン戦役は,完全に勝利しました。
サイゴン市は,完全に解放されました。
ホーチミン主席の名を冠したサイゴン市は,完全に解放されました。

その歴史的な瞬間に,大勝利を祝う爆竹の音が,首都ハノイを初め全ベトナム
に響いています。

ハノイ市民は全て,老若男女を問わず,一斉に通りに出て,共に勝利の喜びを
分かち合いました。人々は互いに手を握り合い,抱擁し合い,高らかに勝利の
歌声を響かせたり,踊ったりして,民族の大勝利を祝っています。

ベトナム民主共和国の全ての公民は,余りの嬉しさに,涙を流しています。
この喜びは,自国で侵略者を完全に,永遠に一掃した民族の,この上ない喜び
です。

英雄不屈のベトナム人民,万歳。
愛する祖国,ベトナム,万歳。

この限りない喜びを受けるに当たって,ベトナム人民は,五大陸の友人と兄弟に
心からの感謝の言葉を送ります。

親愛な聴取者の皆さんは,私たちと共に,このベトナムの大勝利を喜んでくださる
ことを希望します。

サイゴン市は,完全に解放されました。
南ベトナム臨時革命政府の旗は,傀儡 (かいらい) 政権の大統領官邸とサイゴン
市全域に翻っています。

『解放通信』 によりますと,今年3月初めからの,戦略的意味を持つ,極めて大き
な勝利を経て,南ベトナムの武装勢力と人民は,アメリカの手先,傀儡政権を打ち
砕きました。

1975年4月30日午前11時30分,南ベトナム臨時革命政府の旗は,傀儡政権
の大統領官邸とサイゴン市全域に翻りました。

偉大なホーチミン主席の名を冠したサイゴン市は,完全に解放されました。
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喜びと興奮を抑えつつ,落ち着いた,透き通る声で,静かに淡々とニュース原稿を
読み上げる女性アナウンサー 。
彼女の名前は,中村信子さん。

1980年に刊行された著書 『ハノイから吹く風 ―サイゴン陥落を伝えた日本女性』
(共同通信社刊) の中で,彼女は,この歴史に残る一日の出来事とラジオ放送局の
模様を記している。

1975年は,当ブログ子は,ちょうどBCLを中断していた時期で,この日の放送を
聴いていない。

しかし,『ベトナムの声』 日本語放送は,20年後の同じ日,特別番組の中で,この
記念すべきニュースの録音を再放送した。
再放送とは言え,『サイゴン陥落』 のニュース番組は,特別の感慨を持って聴いた。

『ベトナム戦争』 は,今は 『団塊の世代』 などと呼ばれる我々にとって,その当時は,
多感な青年たちを政治に目覚めさせた出来事として,鮮明に記憶されている。

そして,1975年の 『サイゴン陥落』 のニュースは,社会に出て働き始めていた,
我々中堅サラーマンにとっても,時代の流れが大きく転換することを予感させる
ものであった。

その,歴史に残るニュースが,『ベトナムの声』 から,このような内容で放送されて
いるとは,BCL中断の身には知る由もなかった。

20年後の再放送は,同時代を生きてきた,ベトナムの人々の辛苦に想いを馳せ
つつ,改めて平和の尊さを認識させたのであった。

( 『懐かしの資料』 当ブログの過去記事 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/184854.html?m=l

『中国国際放送』 の日本語放送は4月29日,ニュース番組
に続いて,次のようにアナウンスした。

四川大地震が発生して,まもなく1年になります。
中国国際放送局は,日本人スタッフら外国人記者を,現地
に派遣しました。
地震から立ち直りつつある,四川の様子を伝える記念番組
『頑張ろう,四川』 は,5月5日から11日まで,一週間連続
して放送します。
どうぞ,お聴きください。

中国国際放送は,4月29日に放送した 『中日交流カフェ』 の中で,『BCLを再開した』
という,3人のリスナーからのお便りを紹介し,続いて,キャスターの大澤さんと殷さんが,
つぎのように語った。(抜粋)

大澤 : この,『BCL』 って,何だか,殷さん知ってますか。

殷  : 最初は,わからなかった。調べました。
     『BCL』 とは,海外短波放送聴取者のことですよね。
       
大澤 : そうなんですよね。この,『BCL』 が (日本で) ブームになったのが,だいたい
    1970年代頃ということなんですけれども,70年代といえば,未だ,殷さんは,
    生まれていない・・・。

殷 : はい。

大澤 : 私も,ちょっと,その頃の記憶は,子供でしたから分からないんですけれども,
    そもそも深夜放送というのは,一人で,家で聴くというのが定番でした。

    私も,学生時代にね,放送を聴きながら勉強をするなんていうことがあったんです
    けれども,きっと,この20年,30年という月日の中で,仲々,忙しくて,一人で
    放送を聴くっていう時間が,持てなかったんじゃないかなぁと,思うんですよね。
    40代になって,又,ゆっくり,放送を聴く時間がある,ということじゃないでしょうか。

    私の周りではね,BCLをやっているなんていう話は,聴いたことがないんですけれ
    ども,この,『BCL』 というのは,海外の短波放送ですから,世界のあらゆる国から
    の放送を,日本語で,楽しめるということなんですよね。

    ということは,日本にいながら,まぁ,中国でも,楽しめますけれども,ここにいながら,
    いろいろな国に行った,そんな感じになれる。いやぁ,結構,夢があるというか,ロマン
    を感じますね。

殷 : 私たちは,とても大切な役割を果たしていますね。
    皆さんの夢を,お手伝いしているわけですね。
    これからも,頑張らなければいけませんね。

大澤 : 皆さんの声を,いろいろ参考にして,楽しい番組を作っていきますので,よろしく
    お願いします。

殷 : よろしく,お願いします。

Radio Japan は,豚インフルエンザ関連のニュースに,多目の時間を
割いているため,放送時間帯によっては,臨時編成としている。

例えば,日本時間4月29日16時からの日本語番組は,通常は5分
間のニュース番組に続いて,ラジオ第一放送の番組が流すところ,
この日は,時報の後,10分間のニュースを放送した。

続いて,『さくさらさくら』 のメロディに乗せて,次のようなアナウンスを,
繰り返した。
   こちらは,NHKワールド,ラジオ日本,NHKの国際放送です。
   この後,番組の途中からですが,ラジオ第一放送の番組をお送
   りします。
そして,16時11分,『つながるラジオ』 の途中から,放送した。

なお,番組の中程と毎正時前に放送されている 『海外安全情報』 は,
現時点では,豚インフルエンザを集中的に伝えるという形にはなって
おらず,通常通り,世界各地の安全情報を順次紹介している。

米VOA放送の4月28日付け報道資料によれば,同局は 『豚インフルエンザ』 が
世界的な広がりを見せる中,万全の報道体制を敷くと発表した。
http://www.voanews.com/english/About/2009-04-28-swine-flu.cfm

同局は,世界中に配置しているジャーナリストを通じて,豚インフルエンザの発生
状況,治療と予防,観光旅行や貿易へ影響,各国政府の対応など,すべての面
を報道していくという。

台湾国際放送は,4月24日に放送した 『お便りありがとう』 の中で,リスナー
からの 『短波放送にこだわって聴いているが,混信が気になる』 という報告に
対し,次のように応えた。

そうですね,インターネットでも聴けるんですけれども,短波放送で聴くと言う方
も,少なくないと思います。

こう言った,受信状態の問題を解決しないと,短波放送の将来が心配されます。
何とか,私どもの方でも,エンジニアと相談しながら,少しでも良い状態で聴いて
いただけるようにしたいと思います。

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( 当ブログ子 : 注 )
この日の番組では,興味深い情報が多く,他にも,つぎのような話題が紹介
された。
  ★ 台湾国際放送の日本語放送は,いつ開始されたか。
    http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/15517851.html
  ★ 台湾国際放送の報道姿勢について
    http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/15576053.html

『モンゴルの声』 日本語放送は,最近,放送開始時のテーマ音楽を変更し
た模様である。

これまでの,モンゴルの歴史と自然を想わせる,勇壮なメロディに代わって,
最近は,少し感じの違う曲が流れ,この曲をバックにして,局名,放送時間,
周波数がアナウンスされている。

新しい曲の名前は,番組の中で紹介されたのかも知れないが,受信状態の
芳しくない日が多く,未だ確認できないでいる。又,いつから変更されたのか
も不明である。

なお,同局の,日本語を含む各言語による番組の放送開始前に流される,
インターバルシグナルのメロディ,あのポン,ポン,ポーンというチャイムの
音は従来どおりで,変更されていない。

又,他言語番組の開始時に流されるテーマ音楽は,現在も,従来日本語
番組で使用されていた曲と同じである。

台湾国際放送は,4月24日に放送した 『お便りありがとう』 の中で,『日本では
伝わり難い情報を詳しく伝える台湾国際放送の存在意義は大きい』 とするリス
ナーからの意見に応える形で,パーソナリティの王淑卿さんと上野重樹さんが,
次のように語った。

台湾のことは,今は,日本のメディアも,かなり伝えてくれるようになったんです
けれども,そこで伝えきれない部分ですとか,台湾の人たちの立場に立った形
の報道をしていきたいと思います。

政府としても,私たちに,海外メディアの報道の足りない部分を補充してほしい
ようです。

もちろん,海外メディアも,最近,台湾のこと,よく報道していますが,どうしても
足りない部分があります。

台湾に関心のある方,ぜひ,私どもの放送を聴いていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
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( 当ブログ子 : 注 )
この日の番組では,興味深い情報が多く,他にも,つぎのような話題が紹介
された。
  ★ 台湾国際放送の日本語放送は,いつ開始されたか。
    http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/15517851.html
  ★ 台湾国際放送の短波放送に対する考え
    http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/15641831.html

KBSの日本語放送は4月27日,『玄海灘に立つ虹』 の枠内で,韓国の俳優
チュ ・ ジブンの麻薬所持事件の話題に関連して,日本の草彅剛が逮捕され
た話題にも触れ,リスナーからの 『草彅同情メッセージ』 を紹介するとともに,
次のようなことを伝えた。

・ このニュースは,韓国でも大変な衝撃を持って報道されたこと。
・ 同番組パーソナリティ,キム・ミョンスン (金明順,愛称 : マルコメのお母
 さん) さんも,20代には,草彅と同じように酔っ払った経験があること。
・ 草彅は活動を自粛すること。又,CMを降板することにより,50億円近くの
 損害賠償の訴えも有り得ると見られていること。
・ きょう(4月27日),フジテレビの 『SMAP×SMAP』 に,韓国女優と出演
 予定であったが,キャンセルになるだろうこと。
・ 韓国でも,草彅にはクリーンなイメージがあっただけに,残念に思っている
 こと。
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( 当ブログ子 : 注 )
草彅は,イ ・ ミョンバク大統領が訪日したとき,TBSテレビ系列で放送された
市民との対話番組に,一緒に出演していたことなどから,KBSがこのニュース
をどのように伝えるのか,事件発生の日から注目していたが,ようやく,きょぅ
の 『玄海灘に立つ虹』 の中で紹介した。

KBS日本語放送は4月27日,この日から,番組の一部を変更すると
アナウンスした。
『旅番組』 などが新設される一方,姿を消す番組もある。
金曜日の 『玄海灘に立つ虹』 の,新パーソナリティも紹介されている。

詳細は,次のウェブサイトで読むことができる。
http://world.kbs.co.kr/japanese/program/program_notice_detail.htm?No=10327

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