(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2009年10月

東京新聞のウェブ版は10月31日,千葉市の熊谷市長が日本で初めて海外に
向けて国際放送を送信した 『旧検見川送信所』 の建物内部を視察し,同市長
はこの施設を保存する意向を示した,と伝えた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20091031/CK2009103102000090.html
( このURLの記事は,一定期間後は,削除される場合があります )

この記事によれば,同送信所は1930年に,ロンドン海軍軍縮条約批准を記念
した浜口雄幸首相の演説を,国内初の国際ラジオ放送として,サンフランシスコ
を経由してロンドンに送った。

又,産経ニュースのウェブ版によれば,同送信所は1926年に開局し,太平洋
戦争中は南方の占領地との通信拠点として活用されたが,通信環境の変化など
により1979年に,その役割を終えた。
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/chiba/091030/chb0910302255008-n1.htm
( このURLの記事は,一定期間後は,削除される場合があります )

イメージ 1

10月下旬に,静岡県伊東市の一碧湖へ小旅行した。
日中,近くの 『大室山』 に登って,山頂で地元の中波 ・ FM局を中心
に受信し,そのときのベリカードが届いているので,順次紹介する。

大室山は標高580mの休火山で,遠くに伊豆諸島や天城連山など,
360度の大パノラマを望むことができ,ラジオを受信するには最高の
ロケーションである。

上のベリカードは,静岡放送 (SBS) からのもので,静岡県の地図を
ベースにして,キャラクター 『らぶらじちゃん』 が描かれている。

これだけを見ると,単なるグリーティングカードではないかと誤解して
しまいそうだが,裏面には "Thanks for your report. We have confirmed
your report." と印刷され,手書きで "TNX"と書かれ,受付日付の
スタンプが押印されている。

前々回の 『My コラム(61)』 に続き,インターネットのサイトから拾った話題で,
今回はBBCに関するものを紹介する。

一つは,小林恭子さんが主宰される 『小林恭子の英国メディア・ウオッチ』 という
ブログである。
http://ukmedia.exblog.jp/

小林さんは,イギリス在住のジャーナリストで,イギリスや日本だけではなく全世界
のメディアに関連する問題を,縦横無尽に語っている。

小林さんのブログを読むと,イギリスという国においてはBBC放送に関する話題
が,なぜこんな多いのかと驚いてしまうほどだ。
BBCとNHKとは,報道姿勢や経営形態などの点で,似て非なるものであろうが,
わが国において,こんなにNHKのことが話題にされることはあるだろうか。

一人ひとりのリスナーが,BBCの報道姿勢や経営姿勢に対して強い関心を持って,
テレビやラジオを視聴しているという,イギリス国民の批判精神,問題意識の高さに,
その理由があるようだ。

二番目は,伊勢雅臣さんが書かれた 「『日本』 ブランドを売る広報外交」 と題する
コラムである。
http://blog.kajika.net/?eid=995145

伊勢さんは,ブレア前首相の国家ブランド戦略を紹介する中で,『英国は国際放送
分野では,BBCワールドサービスという世界で最も影響力のある国際放送局を持
っている。世界42の言語で1億2千万人の視聴者にニュースや解説を届けている。
(中略)ワールドサービスは政府の補助金によって運営されている。しかし,報道の
自由が政府から保障され,”正確で,偏見のない,独立したニュース報道機関” と
して,国際的な定評を受けている』 と書いている。

わが国の新政権は,国家ブランドを高めていく政策の決定過程で,『広報外交』 の
一つの手段として,NHKの国際放送をどのように位置づけるのか,今後の動きに
注目したい。

( 過去の 『Myコラム』 リスト )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/folder/90339.html?m=l

Radio Canada International は,11月1日から周波数を変更する。
同局のウェブサイトで公表した。
http://www.rcinet.ca/rci/PDF/2009Winter/H09_SW_24h_SIMP.pdf

同局は10月25日に周波数の一部を変更したが,今回の変更に
よる周波数は2010年3月14日まで使用される。

『ロシアの声』 は10月29日,開局80周年を迎えた。
この日,同局の日本語放送はトップニュースで,次のように伝えた。

国際放送 『ロシアの声』 は,きょう,開局80周年を迎えました。
モスクワからの外国語放送が始まったのは,1929年10月29日。
以降,80年に亘って,国際放送 『ロシアの声』 は,世界各国に住む
様々な民族に属する多くの人々に,色鮮やかで,多面的なロシアの
姿を伝えてきました。

外国語放送は今から80年前に,先ずドイツ語でスタートし,次いで
英語,フランス語の放送が始まりました。イギリスのBBCラジオが
放送を開始したのは,それから3年後,また,アメリカの Voice of
America は,ロシアの声 (の放送開始) から13年遅れて,放送を
開始させました。

長い歴史を誇る 『ロシアの声』 は,現在,近代的なマルチメディアに
姿を変えています。

『ロシアの声』 のアンドレイ・ブィストリツキイ社長は,80周年の記念
日を前に,『ロシアの声』 は,しっかりと未来を見据えており,放送の
言語も47にまで拡大する,と述べています。

また,アンドレイ・ブィストリツキイ社長は,外国語放送は,異なる国家,
異なる言語が存在している限り,必要とされるだろう,と語っています。

なお,11月2日と3日の両日,モスクワでは 『ロシアの声』 開局80周
年を記念し,第1回国際ロシア語放送フェスティバルが開かれることに
なっています。

お祝いのメッセージをくださったリスナーの皆様,本当に有難うござい
ます。

きょうの記念日に寄せて,『ロシアの声』 にはドミトリー・メドヴェージェフ
大統領からも,祝電が届きました。

大統領は,そのメッセージの中で,『ロシアの声』 は80年間に亘る高い
プロフェッショナリズムで貫かれた放送によって,世界の5つの大陸で
多くのリスナーを獲得し,ロシアの出来事について迅速に伝える情報源
として,自らをアピールしてきた,ロシア文化およびロシア語の普及に対
する貴局の功績は高く評価されるべきものだ,と述べています。

また,ドミトリー・メドヴェージェフ大統領は,今日 『ロシアの声』 は国際
的な情報番組の指導的立場を担っており,良い伝統を維持しながら,
外国のリスナーたちに新たなロシアを開いて見せ,ロシアの外交関係の
強化を促進している,と指摘しました。

イメージ 1

中国国際放送から,『電子ベリカード』 が届いた。

デザインは,今年の中華人民共和国建国60周年を記念して,中国56民族
を紹介するシリーズの一枚で,写っているのは 『シュイ族』 の女性たち。
農家の女性が,収穫の喜びを語っているのであろうか。背にした籠には採り
たてのトウモロコシがいっぱいである。

『シュイ族』 は,貴州省三都シュイ族自治県に集中して住んでおり,勤勉な
シュイ族の人々は,各民族の人たちとともに故郷を,水産物や米,果物が
よくとれる豊かな地域に築き上げたという。

同局は本年5月から,紙ベースのベリカードとして,『中国民族紹介第一シリ
ーズ(16民族)』 も発行している。

HCJB日本語放送の尾崎一夫さんからの連絡によれば,同放送の予定は
下記のとおりとなっている。

本年11月から来年3月までの毎週土曜日は,『日本ふれあいの旅2009年』
のシリーズ番組で,日本各地でのリスナー・インタビューなどを紹介するほか,
12月26日にはクリスマス特番も放送される予定である。

なお,毎週日曜日の放送予定については,追って発表されるものと思われる。

HCJB日本語番組は,毎週末の土曜日と日曜日,日本時間朝の7時30分
から8時まで,15525kHz で放送されている。
----------------------------------------------------------------
11月 7日 先輩/後輩ビッグ対談      坪井達夫/大武逞伯
11月14日 はつらつ老後の楽しみ      坪井達夫 
11月21日 BCL/HAMと共に63年 (1) 石川俊彦
11月28日 BCL/HAMと共に63年 (2) 石川俊彦
----------------------------------------------------------------
12月 5日 私の好きなオーストラリア   須藤幹雄
12月12日 測量と短波受信と川柳 (1)   佐野嘉信
12月19日 測量と短波受信と川柳 (2)   佐野嘉信
12月26日 クリスマス・コンサート in Houston, TX
----------------------------------------------------------------
 1月 2日 BCL同級生ビッグ対談     岩沙一彦/宮地広光
 1月 9日 永六輔さんと私          島田千秋
 1月16日 仙台HCJBリスナーの集い (1)
 1月23日 仙台HCJBリスナーの集い (2)
 1月30日 Eスポ受信に魅せられて    早坂敬司
----------------------------------------------------------------
 2月 6日 ブラジルから日本へ (1)     松瀬倶子
 2月13日 ブラジルから日本へ (2)     松瀬倶子
 2月20日 関東HCJBリスナーの集い (1)
 2月27日 関東HCJBリスナーの集い (2)
----------------------------------------------------------------
 3月 6日 エクアドルから帰国して     西尾克俊
 3月13日 関西HCJBリスナーの集い (1)
 3月20日 関西HCJBリスナーの集い (2)
----------------------------------------------------------------

※ 2009年10月末までの放送予定は,次のとおり。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/20562107.html

イメージ 1

HCJB日本語放送の尾崎一夫さんは,日本への一時帰国を無事に終えて,先日
シカゴに戻ったが,このほどニュースレター 『シカゴこのごろ』 2009年11月号を
制作発行して,関係者に配信した。
上の写真は,『関西HCJBリスナーの集い』 で記念撮影され,『シカゴこのごろ』 に
掲載されているものである。
--------------------------------------------------------------
シカゴこのごろ   2009年11月

 早朝4時。ぱっちり目が覚めました。夜半から、秋雨がしとしとと落葉をぬら
していたようです。昨日、10月24日土曜日の昼前に成田空港を飛び立った
ジェット機は、12時間ノンストップでシカゴ空港へ。地球の自転に逆らって日付
変更線を越えると、出発と同時刻に帰宅できます。まさにタイムスリップです。

 しかし、季節は夏から秋へ移っており、住宅街の並木はすでに紅葉のシー
ズンを過ぎ、道路も庭も散り落ちた葉で錦の絨毯。気温は摂氏5度。すでに
初冬の風が木立を吹き抜けていました。裏庭はすっかり木々が葉を落として
しまい、小さな家庭菜園も淋しくなりましたが、真っ赤なホオズキはまだ実を
つけたまま待っていてくれました。久子が愛した花だけに、私に「お帰り」と
声をかけてくれているようでした。

 日本滞在2ケ月間は多忙でしたが充実した毎日でした。HCJB日本語放送の
リスナーをたずねる 「日本ふれあい2009」 は、仙台、東京、大阪での集いを
はじめ、個人訪問をふくめて50名余の方々にインタビューすることができました。
すぐに編集をはじめ毎週土曜日のサタデー・トークの番組で放送することにして
います。  

 ハムフェアからはじまって、秋葉原でのBCL懇親会、仙台、関東、関西での
リスナーズの集いには、熱心なリスナーが遠くからもかけつけてくだいました。
山形の教会では、わざわざ休みをとって盛岡から早朝の高速バスでかけつけ
てくれたたリスナー。四国の西の端から会社出張をかねて上京したリスナー、
逆に、教会のすぐ目の前に住んでいるのに教会のなかに入ったのは初めてと
いうリスナー、また、茨城県の取手の教会では、バーベキューの昼食会で3人
のリスナーを交えて楽しい語らいをすることができました。どの集まりでも「放送」
によって結ばれた絆の強さを実感させられました。時間切れで取材できなかった
方々には来年またあらためてお願いしたいと思っています。

 Japan Trip 2009 が守られ無事に終わったことを感謝します。離日前に、群馬
県の狩野外科で健康チェックしてもらいました。私が29年前に胃潰瘍手術を
うけた病院です。結果は、加齢現象以外は異常なしということなので、聖書に
出てくる勇者ヨシュアのごとく、限りなき前進あるのみ、まだまだやる気十分です。

 全国各地を巡回してリスナーズとの交わりを深めるために、「至れり尽くせり」
のご協力、ご支援をいただきましたことを心底から御礼申し上げます。

                        HCJB日本語放送担当  尾崎一夫

『ロシアの声』 日本語放送は,日本時間22時台の 6005 kHz を10月29日から
送信を停止すると発表した。
同局のリスナーズクラブ 『ペーチカ』 のウェブサイトが28日,同局のアナウンスと
して伝えた。
http://9005.teacup.com/matsu01/bbs

この周波数は,去る25日から新設されたが,各地での受信状態が芳しくなかった
模様である。。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/22055007.html

10月29日は 『ロシアの声』 開局80周年記念日に当たっており,残念なニュース
である。

ニュージーランドの詩人 Mark Young さんが詠んだ詩に,『短波放送』 を題材
にしたものがあるという。
米VOA放送のキム・エリオット氏の主宰するウェブサイトが,NZの書評サイト
の記事を引用して,紹介している。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=7657

意訳と誤訳の批判を覚悟で,拙い日本語に訳してみた。
---------------------------------------------------------------
短波の詩

短波 その驚異 わたしは 信じる
エクアドルのキトが良い 北京放送も良い
NHKが良い VOAも良い
ポップスが良い プロパガンダも良い
すべてが 夜の天空を駆け巡る

電波の網の目の中で
わたしは コロンブスになる
新世界 探し求めて
ゆっくり ゆっくり ダイヤルを回す
局名アナウンス 聴き逃さないように
雑音とフェーディングの中で

↑このページのトップヘ