(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2010年08月

イラク戦争開始から7年余り,米軍の戦闘部隊が今月中旬に撤退し,大きな
節目を迎えた。
米オバマ大統領は,日本時間9月1日朝,イラク駐留米軍の戦闘任務終了を
宣言すると共に,今後の対イラク政策について,テレビ演説を行なう。
同大統領の演説は,CNNテレビで中継されるという。
http://www.jctv.co.jp/cnnj/topics/index.php?tid=1115&MYSTYLE=stb0vmssekk8ijfqrf8278pc30ejpfa4

VOA放送がこれを中継するかどうかは,現時点では発表されていないようだ
が,今後のアナウンス等に注目したい。

毎日新聞ラジオ面 (東京本社版・朝刊) 掲載のコラム 『赤坂電視台』 に,
パーソナリティの荒川強啓さんが8月24日から執筆した。
荒川さんは,TBSラジオの 『荒川強啓 ディ・キャッチ!』 (平日午後3時
半から) のパーソナリティを務め,同番組は先日,放送4000回を迎えた。

最終回,27日掲載のコラムの中から,その一部分を ――
 ラジオの魅力は,何といっても顔が見えないことにある。それは,聴いて
 いる側も同じ。(中略)
 ラジオはうそがつけない,というより,うそがバレてしまう。耳から入って
 くるのはニュースの内容だけでなく,パーソナリティの情報の咀嚼力,
 人間性,感情表現,その日の体調など。それが瞬時にリスナーの頭脳
 や感性を直撃する。そして,好感度,信頼度に跳ね返ってくる。

『ロシアの声』 日本語放送は,8月30日に放送したハバロフスク支局制作の
『シベリア銀河ステーション』 で,岡田和也夫妻の退局を惜しむリスナーから
のお便りを紹介したのに続き,番組の最後で次のようにアナウンスした。

  今後の支局制作の番組につきましては,ただいまモスクワ本局からの
  連絡を待っているところです。
  また,番組でお会いできることと思いますので,至らないところばかりか
  と思いますが,引き続き,どうぞ,よろしくお願いいたします。
  それでは,皆さん,さようなら。
  皆さん,どうぞ,お元気で。

これに先立ち,北海道新聞は8月26日,『国際』 面に大能慎悟記者の署名
入り記事を掲載し,次のように伝えた。(一部抜粋)
  旧ソ連崩壊後の財政難を受け,『ロシアの声』 は同支局の縮小に着手。
  2003年には,4人いた日本人職員を1人に削減した。残った岡田さんも,
  ついに今回,解雇通告の対象となった。(中略)
  いったんは今月末の終了が決まったが,リスナーの手紙の効果か,
  『ロシアの声』 は岡田さんを契約社員として,年内は番組制作を続ける
  方針に転じた。

岡田アナは6月末に放送された 『シベリア銀河ステーション』 の中で,『8月
いっぱいで退局する』 と語っていた。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/26294043.html

また,7月末のモスクワからの 『お便りスパシーバ』 では,『ハバロフスクから
の放送は,今年いっぱいは継続される』 とアナウンスしていた。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/26714012.html

そして,岡田さんにとっては最後となるかも知れない,8月の 『シベリア銀河
ステーション』 は,28日の番組では岡田さんの退局を惜しみ,ハバロフスク
局の存廃を心配するリスナーからのお便りを紹介し,30日の番組も同様の
内容で,番組の最後に頭書のアナウンスがあった。

28日に放送された,モスクワ本局制作の 『お便りスパシーバ』 でも,この
問題については触れられなかった。
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( 当ブログ子 : 注 )
北海道新聞の記事の内容は,岡田さん本人にも取材しており,信憑性が高い
と思われるが,雇用の当事者であり,番組の編成権を有する 『ロシアの声』
本体が,何のコメントも発表しないのは,誠に残念である。

なお,北海道新聞が 『ロシアの声』 に関して報道したとの情報は,その記事の
中のインタビューにも登場している松本卓也さんからいただいた。

当ブログ子は,直ちに同紙のウェブサイトを通じて,記事のコピーの送付を
お願いした。数時間後,同紙コールセンターから拙宅に電話があり,『営業局
に電話を回すので,そちらで正式に申し込んでほしい』 と言う。

営業担当者に事情を話すと,『代金194円を送ってくれれば,新聞を送る』 と
言う。

『ロシアの声』 の記事は,同紙のウェブサイトには掲載されなかったため,入手
するのに時間を要してしまったが,北海道新聞のそれぞれの部署の担当者が,
テキパキと小気味良い対応をしてくれたことから,『こういう社員が作り上げる
新聞は信頼性が高いだろうなぁ』 との印象を強くした次第である。

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HCJB日本語放送の 『関東地区リスナーの集い』 が,8月29日午後1時半から
東京淀橋教会で開催された。

この集いには,日本語放送の責任者であり,米アリゾナ州在住で一時帰国中の
尾崎一夫さんをはじめ,日曜日の番組で聖書の解説をしている淀橋教会の峯野
龍弘主管牧師,全国各地から集った沢山のリスナーが出席し,様々な意見交換
を行なった。

席上,群馬県渋川市在住で,永年のHCJBリスナーである鈴木義一さんに対して,
最多ベリカード獲得を証する特別賞と副賞が,尾崎さんから贈呈された。

また,尾崎さんの依頼を受けて当ブログ子が集計した,HCJBリスナーが使用して
いる受信機とアンテナのデータを発表した。

受信機では,SONY製のものを使用しているリスナーが一番多く,ICOM,JRC,
Panasonic と続いている。なお,PERSEUS を使用しているリスナーは未だ少ないが,
今後増えていくのではないかと思われる。

アンテナでは,ロッドアンテナで聴いているリスナーが最も多く,外部アンテナ使用
の場合は,SONY-AN シーズ,Wellbrock ALA シリーズ,蓜襦璽廝靴覆匹鮖藩
しているリスナーが目立つ。

尾崎さんからは,2011年夏には,長男の道夫さん夫妻が同行して帰国し,記念
コンサートなども開かれる予定であることが発表された。

最後に,中央に "hcjb global" のロゴが大書された A1 版のポスター用紙の上下
左右に,参加したリスナーが自分の名前を書いた。
尾崎さんは,これをアリゾナの自宅に持ち帰り,スタジオでマイクから見えるところ
に飾るのだという。そして,リスナーの姿を思い浮かべて,マイクの前で語りかける
のだという。

同局のウェブサイトは,次のとおり。
http://japanese.hcjb.org/

なお,『関西地区リスナーの集い』 は,9月11日に行なわれる予定である。
http://japanese.hcjb.org/SW_Schedule/2010Japan_Schedule.html

アジア放送研究会 (Asian Broadcasting Institute) は8月29日,東京都内において
『第32回近隣諸国放送研究フォーラム』 を開催した。
http://www.abiweb.jp/act/forum2010.htm

このフォーラムは昼食を挟み,ほぼ丸一日掛かりのスケジュールで行なわれ,全国
各地から参加したリスナー・研究者は,同研究会の会員および非会員を含めて多数
にのぼり,極めて専門性の高い各講演者の報告に,一言も聴き逃すまいと注意深く
耳を傾けた。

招待講演と会員報告の演題は,次のようなものであった。
  ・ 韓国のインターネット放送の現状
  ・ 北朝鮮からの衛星伝送~過去と現在~
  ・ 台湾FM放送の現状~地下電台を中心に~
  ・ アジア放送研究会30周年記念特別放送について
  ・ 再開された朝鮮半島電波戦
  ・ 地デジ化とFM-DX
  ・ ブラジルの日本語放送について
  ・ 番組編成から見るコミュニティFM放送

参加者には,本フォーラムの講演予稿集,同研究会の月報8月号をはじめ,昨年秋に
行なわれた特別放送を収録したCDや海外および国内局のグッズなどが配布された。

アジア放送研究会のウェブサイトは,次のとおり。
http://www.abiweb.jp/

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( 当ブログ子 : 注 )
このフォーラムは毎年,この時期に行なわれている由であるが,当ブログ子は今年,
初めて参加した。

2009年10月に行なわれた,同研究会の 『創立30周年記念特別放送』 に受信報告
を送ったのが縁で,今回のフォーラムに参加するよう案内をいただいた。

予てから,同研究会のウェブサイトにはアクセスして様々な情報を得てはいたが,今回
のフォーラムに参加して,その研究・調査内容の質と量,専門性の高さに改めて驚いた。

この日は午後から,『HCJB関東地区リスナーの集い』 が開催されたため中座したが,
来年のフォーラムの時には,全時間帯を通じて講演を聴きたいと思っている。

KBS日本語放送が毎週土曜日に放送している 『おしゃべりラジオ』 は,
10分間のニュースに続いて放送される50分間のトークショーである。

元気印の女性キャスター,キム ・ ジヨン(金志硏,愛称 : スミレ) さん,
チャ ・ヨンア(車暎雅,愛称 : カンナ) さん,の2人が,韓国の様々な
話題を紹介しながら,賑やかな会話を楽しむこの番組は,幅広いリス
ナーの支持を得ている。

『おしゃべりリサーチ』 の結果は毎月最終土曜日の番組で紹介し,
ユニークな答を送ったリスナーにはプレゼントが贈られる。

8月28日の放送によれば,9月のテーマは 『あなただけの省エネ方法
はありますか?』 で,選択肢は次の3つとなっている。
関連するコメントも募集している。

   省エネ,頑張ってま~す。 ある!
   そういうことは何もやっていないなぁ~。 ない!
   あんまり関心ないんだよねぇ~。 若しくは,『その他』 !

締切は9月22日 (水)で,電子メール,FAX,郵便で解答を送ること。
宛先は,次のとおり
http://world.kbs.co.kr/japanese/contact/index.htm

また,『おしゃべりリサーチ』 の特設サイトは,KBSウェブサイトの
左欄メニューから入る。
間もなく,9月のアンケートに,情報が更新されるものと思われる。
http://world.kbs.co.kr/japanese/

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『ベトナムの声』 日本語課から,ベリカードが届いた。
同局から当ブログ子に届いた返信は,このところ,旧式のベリカードが
続いていたが,今回は,一昨年,昨年と使用されてきた二つ折りのもの
で,『ベトナムの有名な避暑地ダラット』 の写真がデザインされている。

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『ロシアの声』 ハバロフスク局から,ベリカードが届いた。
本年夏に発行された 『寅年記念カード』 で,アムールトラ,ユキヒョウ,ハマナス
の写真が配されている。このカードは,リスナーの松本卓也さんが制作し,提供
したものだという。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/26454694.html

写真には,動物園の檻の外から観ている沢山の親子連れが写っているが,この
中に松本さんのご家族も入っているのであろうか。

今回は,白黒写真のカードが送られてきたが,同封の解説書によれば,この他に
『カラーバージョン』 も発行されているとのことだ。
しかし,同局の岡田和也さんご夫妻は8月末で退社するとのアナウンスもあり,
当ブログ子が同局からいただくベリカードは,これが最後となる可能性が高く,
誠に残念である。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/26294043.html

なお,封筒には,今年発行されたばかりの 『ウラジオストック創建150周年』 の
記念切手が貼られている。
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( 当ブログ子 : 注 )
『ロシアの声』 日本語放送のリスナーズクラブ 『ペーチカ』 事務局の松本卓也さん
からの情報によれば,8月26日付け北海道新聞は,『ロシアの声』 ハバロフスク
支局の現状を伝えるリポートを掲載し,その記事の中で,岡田和也さんは9月から
契約社員になると報じた。
28日と30日に放送される 『シベリア銀河ステーション』 で,岡田アナウンサーが
どのようなコメントを出すのか,注目したい。

KBS日本語班のウェブサイトに掲載されている 『アナウンサー名鑑』 が
このほど更新され,先月から日本語班に復帰したキム・へヨン (金恵英,
愛称 : コアラ) さんのプロフィールが加わった。
http://world.kbs.co.kr/japanese/about/ana/ana02_1.htm

コアラさんは日本語番組で,ニュース原稿を読んでいる他,様々な番組で
流されるインタビューの日本語への吹き替えや,ナレーションなどを担当
しているが,ベテランアナウンサーらしい麗しいお声は,なお健在である。

中国国際放送日本語部では最近,スタジオの録音・伝送システムを
新しいシステムに切替えたが,日本語部の記者やアナウンサーは,
これに慣れるまで,ドタバタ劇の毎日が続いているという。
同局キャスターの王小燕さんはご自身のブログで,その様子を詳しく
紹介している。
http://d.hatena.ne.jp/tubameyanzi/20100826

王小燕さんのリポートからは,日本時間19時に始まる日本語放送
に間に合わせるため,新システムに不慣れなアナウンサーたちが,
不具合の発生する録音卓を相手に悪戦苦闘する 『泣き笑い』 が
伝わってくるようで,大変興味深い。

この話題は,既にラジオ番組の中で紹介されたのかも知れないが,
顛末記を改めて紹介してほしいものだ。

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