(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2012年08月

幼稚園の年長組に通う孫娘が,夏休みをどのように過ごしたかを報告
するため我が家を訪ね,『キッザニア』 で飛行機のキャビンアテンダント
とラジオ局のディレクターの体験をしてきたと言う。
『キッザニア』 って,何だ !?

インターネットで調べてみた。
子供たちが憧れの仕事にチャレンジし,楽しみながら社会の仕組みを
学ぶことが出来る 『キッザニア』 という 『街』 があるそうだ。
http://www.kidzania.jp/tokyo/

ウェブサイトによると,ラジオ局は,子供たちがDJやディレクターとなって,
ラジオ番組をキッザニアの街で生放送するもので,音楽情報やニュース
など,さまざまな番組がある。番組を収録したCDを持ち帰ることができる。
http://www.kidzania.jp/tokyo/activity/pavilion/2_005/index.html

在京FM局 J-WAVE がスポンサーとなっている 『ラジオ局』 での一コマを
お土産にもらって来たCDで聴いてみた。
  きょうは,2012年8月23日,木曜日,1時55分,オンエア。
  キッザニア・キャラクター・プロフィール。
  J-WAVE 進行ディレクター,My name is Nagisa. I like grape.
  J-WAVE 音響ディレクター,My name is Yukino. I like strawberry.
           ↓
           ↓
など,ちびっ子スタッフの自己紹介に続き,J-WAVEでシェリーさんが
DJを務める子供向け番組 (実在の番組) のオープニングアナウンスが
流れ,キッザニアのキャラクターの “ヒミツ” をちびっ子DJが紹介する
疑似番組が進行する。

なるほど。
これで,『ラジオ人口』 が増えて行けばいいのだが …。

日本民間放送連盟とNHKは共同で,ラジオキャンペーン
『ラジオにタッチ!』 を,大阪のラジオ6局で8月24日から
開始した。約4ヵ月間にわたって実施される。

民放連の報道資料は,次のとおり。
http://www.j-ba.or.jp/index.php?2012%C7%AF08%B7%EE24%C6%FC%20%A1%CA%CA%F3%C6%BB%C8%AF%C9%BD%A1%CB%A3%CE%A3%C8%A3%CB%A1%A6%CC%B1%CA%FC%CF%A2%B6%A6%C6%B1%A5%E9%A5%B8%A5%AA%A5%AD%A5%E3%A5%F3%A5%DA%A1%BC%A5%F3%A1%D6%A5%E9%A5%B8%A5%AA%A4%CB%A5%BF%A5%C3%A5%C1%A1%AA%A1%D7%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6

同キャンペーンの特設サイトは,次のとおり。
http://osakaradio.jp/

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一時帰国中のHCJBの尾崎一夫さんとお会いする機会を得た。
尾崎さんは 『この本を見てください!ご存知ですか』 と言って,
一冊の文庫本を見せてくれた。
『遠くの声に耳を澄ませて』 (宮下奈都著,新潮文庫) である。

宮下さんは瑞々しい感性と綿密な心理描写で,最も注目される新鋭の
一人だという。この本には12編のエッセィが収められていて,その最初
に載っている 『アンデスの声』 から一部を抜粋して紹介する。

幼少時代に,一度祖父母と暮らした経験を持つ著者が,祖父がある日
突然倒れて病院に運び込まれたという知らせを受け,病室に見舞うと,
祖父が 『・・・キト』 『キ,ト』 と言う。
ドラマの始まりである。
そして,いったん家に帰ると,祖母が孫娘に語り出す。
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固い蓋をこじ開けると,中に絵葉書大のカードが詰まっていた。端が薄茶色に染まって
いるものもあり,ひと目で古いものだと見て取れる。これがそのベリカードか。いちばん
上の一枚を手に取り,裏を返した私はあっと声をあげそうになった。
キト。キトだ。胸の中にあったあの街にそっくりの風景がそこに写っていた。
    ( 中 略 )
「ベリカードって,なに?」
そう聞く声がからからに乾いている。思わず唾を飲み込んだ。
「ラジオ聴くやろ,ほの内容を書いてラジオ局に送るんや。ちゃんと聴いてたことが
わかればラジオ局がベリカードを送ってくれる」
受信の証明書のようなものと思えばいいだろうか。青い鳥の写真が印刷されたカード,
見たこともない果物の写ったカード,満面の笑みをたたえた少女のカード,そして,赤い
花のカード。

祖母が隣に腰を下ろす。
「懐かしい。これも,ああ,これもや,ぜんぶじいさんと集めた」
アンデスの声,と日本語で記されている。キトのラジオ局の名前らしい。
「何の番組に周波数を合わせようとしてたんやったか,たまたま飛び込んできた声が
あっての」
そういって祖母は目尻に皺を寄せ,手元の赤いカードをじっとのぞき込む。

遠く離れた日本の片田舎で,祖父のラジオがエクアドルからの電波を受信する。現地の
日本人向けの放送を偶然つかまえたのだろう。祖父と祖母はたぶん地図を開いてキト
の場所を確かめた。そうして地球の反対側まで,拙い受信報告を送った。ヘリカードが
返ってきて,ふたりは心を躍らせる。幾度も放送を聴き,幾度も報告書を書く。そうして
一枚づつベリカードが届けられる。ふたりして,目を輝かせてカードに見入ったことだろう。
そのときの様子がありありと目に浮かぶ。
                                           ( 以下省略 )

( 2012-08-29 情報更新 )
下記の番組は,次のウェブサイトで,アーカイブを聴くことが
できる。
http://japanese.cri.cn/782/2012/08/29/201s197563.htm

日本短波クラブのブースを訪問したリスナーへのインタビュー,
大武事務局長へのインタビュー,日本語部の傅穎部長の祝賀
メッセージなど,盛り沢山の内容となっている。

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( 2012-08-28 当初掲載 )
中国国際放送は,8月29日 (水) の 『中日交流カフェ』 の枠内で,
日本短波クラブ創立60周年を祝う特集番組を放送する。

同局東京特派員の王洋さんは,先週末に開催された 『ハムフェア』
で同クラブのブースの賑わいを取材しており,様々なインタビューも
放送されるものと期待される。

同局日本語部では,この番組を聴いて,感想や意見を送ってほしい
と呼び掛けている。

同局のスケジュールおよび住所等は次のとおり。
http://japanese.cri.cn/782/2011/10/21/141s181783.htm
http://japanese.cri.cn/782/2008/11/30/1s131039.htm

KBS WORLD RADIO では,このほど 『Discover Korea 韓国旅行コンテスト』 の
受賞作品を発表した。日本のリスナーの作品は佳作に選ばれている。
各受賞作品は,自国語と英語で掲載されている。
http://world.kbs.co.kr/japanese/event/discoverkorea_2012/sub02.htm

この発表を受けて,KBSは8月27日,“イベント中のイベント” と銘打って,
『もし自分が韓国に行くとしたら…』 のクリック投票を開始した。上記画面の
右側バナーから入る。
設問は1週間毎に更新されて,5週間続く。当選者には記念品がプレゼント
される。

Radio Canada International のサックビル送信所で火災が発生した。
8月24日午後,送信所構内の草むらが燃え出したものの,地元の
消防隊が出動して消火した。
施設関係者の話によれば,ケガ人もなく,大きな被害はなかった模様
だが,火災原因などの詳細は明らかにされていない。

米VOAのキム・エリオット氏の主宰するウェブサイトが,RCI の運営
母体であるCBCのニュースを引用して伝えた。
http://kimelli.nfshost.com/index.php?id=13612

当ブログが紹介した Radio Canada International およびサックビル
送信所などに関する話題は次のとおり。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/MYBLOG/yblog.html?m=l&sv=%A3%D2%A3%C3%A3%C9&sk=0

台湾国際放送は8月26日,故・山田耕嗣さんを偲ぶ特集番組を放送
した。
東京玉山クラブの鳥光会長から寄せられた,山田さんとの想い出話を
紹介し, 山田さんが好きだった 『南の花嫁さん』 を特集した音楽番組
のアーカイブ,山田さんの生前の声などが放送された。

番組の最後に,王淑卿・日本語課長と上野重樹アナウンサーは,次の
ように語った。
 山田さん,本当に有難うございました。
 山田さんは,このように人望が厚かったということで,BCLのファンの
 皆さんは,12月17日,山田さんの誕生日なんですけれども,この日を
 『BCLの日』 として広めて行こうとしています。
 私どもも,この日が近づいてきますと,特別番組を企画いたします。
 12月17日,皆さん,『BCLの日』 として,山田耕嗣さんに想いを馳せて,
 もう一度改めて,BCLを楽しんでみてください。

なお,この日の番組は次のサイトで聴くことが出来る。
http://www.rti.org.tw/ajax/RtiwebPod/Japanese_VOD.aspx

台湾国際放送のウェブサイトは次のとおり。
http://japanese.rti.org.tw/default.aspx

アジア放送研究会 (Asian Broadcasting Institute) は8月26日,東京都内において
「第34回近隣諸国放送研究フォーラム」 を開催した。
http://www.abiweb.jp/act/forum2012.htm

このフォーラムは午前10時から午後5時まで,濃密なスケジュールで行われ,
同研究会の会員および非会員を含む多数のリスナー・研究者が参加した。

主な講演およびパネルディスカッションの内容は次のとおり。
 ・ 金正日死去報道と金日成死去報道の比較研究
 ・ 東日本大震災後のコミュニティFMの動向
 ・ 沖縄本島の放送での琉球方言使用について
 ・ 日本政府の提供による北朝鮮拉致被害者向け放送
 ・ アルゼンチンの 「日本時間」
 ・ パネルディスカッション
   短波国際放送の現状 ~2012年は歴史の転換点か~

参加者には,本フォーラムの講演予稿集,同研究会の月報8月号の他,金正日
死去関連のニュースなどを収録したCD,台湾の中波・FM放送局リストなどが
配布された。

アジア放送研究会のウェブサイトは,次のとおり。
http://www.abiweb.jp/

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( 注 )
このフォーラムへの参加は,昨年に続き3回目である。
専門性の高い数々の講演の中で,特に関心を持って聴いたのは,
「金正日死去報道と金日成死去報道の比較」 と 「アルゼンチンの
『日本時間』」 の二つである。

私は悲しいかな,朝鮮語を理解できないので,2011年12月の
金正日死去のニュースは 「朝鮮の声」 の日本語放送で聴くより
他なかった。
今回,朝鮮語放送を含む現地局の放送内容の解説を聴き,当時
の状況をより詳細に知ることが出来た。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/30882532.html

後者の講演は,中南米諸国の日系社会におけるラジオ放送に
ついて解説されたものだが,これについては関連書籍を読んだ
後,改めて紹介する予定。

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米 Radio Free Asia から届いた電子メールによれば,同局は8月25~26日の
受信報告に対して,期間限定の特別ベリカードを発行する。
これは,日本短波クラブ (JSWC-Japan Short Wave Club) 創立60周年を祝い,
併せて 『ハムフェア2012』 の開催を記念するものである。

日本短波クラブ (JSWC-Japan Short Wave Club) は本年7月,創立60周年を迎えた。
本日(8月25日),東京ビッグサイトで開幕した 『ハムフェア2012』 に同クラブが出展した
のに合せて,会場近接のホテルにおいて 『日本短波クラブ創立60周年記念パーティ』 が
行なわれた。

このパーティには約50名が出席し,石川俊彦理事長は 『短波放送のおかれた状況は
厳しいが,日本短波クラブが会員各位の努力によって益々発展するよう願っています』 と
述べた。

ゲストの中国国際放送局東京特派員の王洋さんは,『数年前の “中日交流カフェ”で,
私が読んだお便りの録音を,きょう,ハムフェアの会場にお持ちになり,このお便りは自分
のものですと言うリスナーがいらっしゃり,それを聴かせていただき,感激しました』 という
エピソードを紹介した。

また,ベトナムの声放送局東京支局長のホアン・リェン・ソンさんは 『ベトナムの声放送局
の日本語放送は来年,放送開始50周年を迎えます。日本短波クラブおよびリスナーの皆
さんからご支援をいただいていることに感謝します。これからも,よろしくお願いします』 と
語った。

更に,ロシアの声からは,リュドミラ・サーキャンさんの祝賀メッセージが同クラブの事務局
に届き,会場でその音声が紹介された。

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