(旧)国際短波放送情報

海外からの日本語短波放送を中心に、メディア関連の様々な話題を紹介します

2016年04月

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HCJB日本語放送 (Reach Beyond-Australia ) は5月1日,52回目の放送
開始記念日を迎えるのに合わせて,特別番組を放送する。

同局の尾崎一夫・久子夫妻は,南米エクアドルの首都キトから 『アンデスの声』
として放送していた1990年代に,南米各地に住むリスナー,日系移住者たちを
訪ね,そのドキュメンタリー番組 『南米ふれあいの旅』 を数回シリーズで放送した。

その番組が 『NHK ラジオ日本 海外日本語番組コンクール』 で最優秀作品に
選ばれ,『フレンドシップアウォード』 を受賞した。尾崎夫妻は授賞式に出席した後,
NHKの番組に出演して,福島幸雄アナウンサーからインタビューを受けた。

インタビューの模様は,NHKラジオ第一を通じて日本国内に放送されたほか,
国際放送 『ラジオ日本』 を通じて,全世界に向けて放送された。
5月1日には,このNHKラジオのアーカイブ番組を放送する。

久子夫人は2006年9月17日に亡くなったが,尾崎夫妻にとって,あの受賞は
想い出に残る出来事の一つであったことだろう。

※ 上記画像は,受賞インタビュー収録の後,スタッフらと記念撮影した写真で,
  当時発行されていた 『アンデスの声』 のニュースレター "La VOZ" に掲載
  されたものである。

※ 現在は,HCJB日本語放送は毎週末の土曜日と日曜日の朝夕に放送されて
  おり,放送スケジュールは次のとおり。
  http://japanese.reachbeyond.org/SW_Schedule/SW_Schedule.html

※ HCJB日本語放送のホームページは次のとおり。
  5月の受信報告に対して発行するベリカードが公開されている。
  デザインは,『アンデスの声』 日本語放送の開始当初,マイクに向かう尾崎
  夫妻のツーショット写真である。
  http://japanese.reachbeyond.org/

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KTWR日本語放送フレンドシップ・ラジオは4月24日,『第7回BCL音源聴き比べ大会』
を放送し,ギリシャの OLYMPIA RADIO のモールス信号音,米アラスカの HAARP の信
号音,ウガンダの RADIO UGANDA の放送開始音声などを紹介した。
番組冒頭には,パーソナリティの谷さんが受信した韓国の SEOUL RADIO のモールス
信号音も披露された。

なお,番組の中では,『BCL総選挙第2回投票』 の実施要項もアナウンスされた。
併せて,同局のホームページにも掲載されている。

KTWR日本語放送フレンドシップラジオは,毎週日曜日午後9時15分からの30分間,
9975kHz で放送されていて,パーソナリティの谷さんとちゃっきーさんの軽妙な語りが
好評である。
同局のホームページは次のとおり。
http://friendshipradio.net/ktwr.htm

※ この日は,私が送った,南アフリカの CHANNEL AFRICA,オランダの RADIO NETHERLAND
  のインターバルシグナルも紹介され,その受信報告に対して送られてきた電子ベリカード
  (上記画像) には,『第7回BCL音源聴き比べ大会音源ご提供に感謝して!』 のコメント
  が添えられている。想い出の一枚となった。

※ この日の番組の最後に,谷さんとちゃっきーさんは,『今週からゴールデン・ウィークに
  入ることだし,ゴールデン・ウィークのどこかで,”音源聴き比べ大会” とは別にですね,
  スペシャル企画にしてしまいましょうかね(笑)』 と語っていた。
  5月1日,あるいは8日の番組に期待が高まる。

KBSの時事解説番組 『金曜座談会』 のゲストコメンテーターの
若宮啓文さんが28日,訪問先の北京で死去した。68歳。
朝日新聞が報じた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ4X6CTHJ4XUHBI022.html?iref=comtop_6_05

元朝日新聞主筆の若宮さんは,日本と韓国と中国の懸け橋役と
して奔走していたとのことで,KBSの 『金曜座談会』 には,ここ
暫く出演されていなかったので,近々出演されることを期待して
いたところだった。
お悔やみ申し上げます。
http://world.kbs.co.kr/japanese/about/ana49.htm

KBS日本語放送は29日,『玄海灘に立つ虹』 と 『金曜座談会』 で,
若宮さんの訃報を伝え,哀悼の意を表明した。
両番組とも,放送の一日前か,二日前くらいに収録されるものと思って
いたが,放送前夜に飛び込んできた訃報を紹介していて,その素早い
対応に驚いた。

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ラジオ・スプートニク (旧・ロシアの声,元・モスクワ放送) 日本語課のチーフ・アナウンサー
日向寺康雄さんが執筆した 『モスクワ放送最後の日』 と題する寄稿文が,日ロ交流協会の
機関誌の最新号に掲載される。
日向寺さんおよび日ロ交流協会から,当ブログで掲載することについて許諾をいただいた
ので,ここに紹介する。 寄稿文は次のとおり。

  ≪ モスクワ放送最後の日 ≫
  4月6日,モスクワからのインターネット日本語放送が 『上からの指示』 により突然中止と
  なった。これで,毎日モスクワからお伝えする肉声放送は,1942年4月14日に開始されて
  以来,ついに途絶える事になった。

  ただ,若いスタッフが胸を張って言うには,代わりに 『サウンドクラウド (音声ファイル共有)』
  形式で 『スプートニク日本』 のサイトから,興味あるデータ (音源) を選んでダウンロードし,
  i-Pod のようなデジタル携帯プレーヤーに素早く取り込めるようになり,パソコンやウォークマン,
  Xアプリで,『大変簡単に好きな時にどこでも』 聞けるのだそうだ。ここで 『そうだ』 と書いたのは,
  私自身が,まだこの変化についてゆけないからである。

  これまでほぼ毎日マイクの前で30年近く 『こちらはモスクワからの日本語放送です。日本の
  皆さん今晩は。いかがお過ごしですか? 今日のモスクワの天気は…』 とやっていた私にして
  みれば,そうした呼びかけがもうできないというのは,ひどく悲しい。ラジオというメディアの持つ
  不思議な温かみや人間的身近さが日ロの小さな架け橋の一部になっていたと自負する私は,
  もう時代遅れの人間なのだろう。
 
  ラジオ放送はインターネットになっても,時間ばかりかかって効率が悪く採算に合わないとして,
  職場では以前から将来的には消える存在との暗黙の了解があったが,3月初めに 『上』 が
  『革新的な新改革案』 を示し,放送に代わる 『サウンドクラウド』 に携わる職員には新たな
  報酬が約束されると発表してからは,ついにその流れは決定的となった。国防省などから
  『電気供給がなくなった非常時の情報保障をどうするのか』 との異論もあったようだが,それは
  忘れられた。

  4月6日,一回目の放送の収録中,『上層部』 から 『明日より放送を中止する』 との決定が
  スタジオに届き,私達は二回目の放送の中でリスナーにそれをお伝えし,余りにも急な放送
  中止を心から詫びた。『上』 がいったん決定を下したら 『下』 はそれに黙って従うしかない
  状況は,今も昔もあまり変わらない。審議の過程が完全に明かされることはなく,そのため
  『下々の者』 は不安の中で右往左往するが,多くの人の生活が保障されることで話は決まって
  行く。二回目の放送で 『モスクワ郊外の夕べ』 の歌を流して最後の収録が終わった。

  モスクワ放送の時代から30年以上働いてきた放送進行係のAさんは,さすがに堪えきれずに
  涙を流したが,編集室の20代の若いスタッフ達は,少しもしんみりする様子もなく 『サウンド
  クラウド』 を使った新しい音声番組の制作プランを喜々として話し合っていた。

  50年以上放送を聞いて下さっている群馬のSさんは,次のような激励のメールを下さった ―
  『局名も放送形態も変わりましたが,モスクワから情報発信は続いております。これからどう
  変わろうとも,モスクワからの情報が続く限り聞き続けます。送る側と受ける側がこれほど
  強く結ばれている放送は貴重な存在です。』
  涙を拭いて,やはり我々は声を限りに,モスクワから読み続けなければならないのかもしれない。

日ロ交流協会のホームページは次のとおり。
http://www.nichiro.org/20120809/index.html

日向寺さんの寄稿文にもあるように,同局では今月6日を以って,インターネットでの音声放送を
停止したが,その後は,日本語課スタッフの懸命の努力によって,『サウンドクラウド』 を通じて,
『お便りスパシーバ』 を始め,興味深いアーカイブなどの音声番組を聴くことが出来るようになり,
現在に至っている。これらの番組は,次のサイトで聴くことが出来る。
https://soundcloud.com/sputnik-jp
http://jp.sputniknews.com/podcasts/

なお,『スプートニク』 の 『情報プログラム』 サイトは次のとおり。
http://jp.sputniknews.com/

※ 日ロ交流協会の皆様へ
  日向寺康雄さんの寄稿文の掲載について許諾をいただき,
  有難うございます。 益々のご発展をお祈り申し上げます。

※ 日向寺さんの,切ない,そして,怒りに満ちた寄稿文を,言葉もなく,『そうだ』,『そうだ』と
  うなずきながら,読ませていただいた。
  『ロシアの声』 でもない,『ラジオ・スプートニク』 でもない,『モスクワ放送』 という6文字に,
  日向寺さんの万感の想いが込められているように思われる。

  『モスクワ放送』 の発足当初は,あるいは本来的には,宣伝放送,プロパガンダの側面が
  強かったことは事実だと思うが,『東西冷戦構造』 が崩れて,国際環境が変化するとともに,
  政治的な意味合いよりも,『異文化理解』 の促進ツールとしての側面が強まってきていたと
  思う。

  日本語課のスタッフは,翻訳業務,サイト掲載業務で手いっぱいと思われるが,『サウンド
  クラウド』 など様々な形で,モスクワから情報発信が続けられる限り,最後まで応援して
  いきたいと思う。

  この 『サウンドクラウド』 へのアクセス数を増やすことが,日本語課スタッフを励ますことに
  なり,延いては,インターネット放送の復活,短波放送の復活へと繋がっていくことを期待
  したい。

※ 上記画像は,1960年代の 『モスクワ放送』 のベリカードである。

( 当ブログ過去関連記事 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/35105328.html
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/1668394.html

パプアニューギニアの国会議員が,『地方の農村地帯に向けた中波,短波による放送網の
整備が緊急の課題だ』 と語ったことが話題となっている。この議員は,現地を視察した後,
『ここの人々は,首都のポートモレスビーで何が起きているのか,この国の首相が誰なのか
も知らない』 と嘆いている。
Radio New Zealand のサイトで紹介している。
http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/302361/lack-of-radio-means-png-rural-population-starved-of-info

※ パプアニューギニア National Broadcasting Corporation のホームページは次のとおり。
  http://www.nbcpng.com/

※ 日本外務省のホームページでは,パプアニューギニアの政治状況などを解説している。
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/png/
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/png/data.html#section2

放送批評懇談会は28日,第53回ギャラクシー賞を発表した。
ギャラクシー賞は,放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い,
優秀番組・個人・団体を顕彰するために,1963年に創設した。
今年の受賞作品・受賞者等の一覧は次のとおり。
http://www.houkon.jp/galaxy/53nyushou.html

放送批評懇談会のホームページは次のとおり。
http://www.houkon.jp/galaxy/

※ 今年,DJパーソナリティ賞を受賞した荻上チキさんは,TBSラジオの
  『発信型ニュースプロジェクト 荻上チキ・Session-22』 のパーソナリティ
  としての活躍を評価された。
  荻上さんは28日夜の番組で,受賞の喜びとリスナーへの感謝を述べた
  のに続き,『公人である,NHKの籾井会長にゲスト出演をお願いして
  みたい』 などと語った。
  http://www.tbsradio.jp/30315

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ロンドンの名所 『ビッグベン』 では,老朽化のため,来年初めから3年間に
わたる大規模な改修工事が行なわれる。工事中は,鐘が鳴らなくなるほか,
時計を止めることもあるという。
テレビ朝日,産経新聞などが報じている。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000073569.html
http://www.sankei.com/world/news/160426/wor1604260059-n1.html

今年の大晦日から新年にかけて放送される BBC World Service では,
午前零時にビッグベンの鐘の音が流れるのか,注目される。
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/6529479.html

※ 上記画像は,1960年代にBBCから送られてきたベリカードである。

NHKテレビ・BSプレミアムでは6月25日,ビートルズ来日50年を記念する
3時間の大型特集番組を放送する。このほど,NHKネットクラブ事務局から,
次のようなアンケート案内が届いた。

  いまからちょうど50年前。
  1966年6月29日,ビートルズが来日。武道館での3日間のコンサートに,
  日本中が騒然としました。
  ビートルズ来日50年を記念して,NHKでは3時間の大型特集番組を放送
  します。
  そこで,当時のエピソードを教えてくださる方を探しています。実際に公演を
  ご覧になった方,テレビの中継放送を見ていた方,あるいはご家族から
  そのときの話を聞いた方がいらっしゃいますか?
  どんな小さな思い出でも,個人的なことでも,とにかく情報をお寄せください!
  プリーズ・プリーズ・ミー!
  ↓↓ アンケートはこちら
  http://pid.nhk.or.jp/s/beatles?cid=nnc2016042713705964

韓国におけるメディア問題に関連して,KBSのニュースサイトは27日,
「朴大統領のメディア懇談会 与野党の反応」 と題するニュースを報じた。
また,ハンギョレ新聞のサイトは同日,「『非正常の正常化』 は韓国の
放送メディアから」 と題するコラムを掲載した。
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Po_detail.htm?No=59030&id=Po
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23988.html

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『朝鮮の声』 日本語放送係から,ベリカードが送られてきた。
茶封筒に記載の発信元は,ペン書きで 『朝鮮民主主義人民共和国ラジオ・
テレビ放送委員会』 となっている。
カードは,『不滅の花・金日成花』 の写真を真ん中に置き,その花を鑑賞する
観光客の写真や,その栽培成功を称えるのであろうか,賞状・楯と思われる
写真などて囲むデザインとなっている。

ベリカードには,返信のあいさつ状,月刊広報誌 "FOREIGN TRADE " (A4版,
32頁建) のほか,ハガキ半分の大きさの小冊子が同封されている。

この小冊子のタイトルは,『金日成 北と南が力を合わせて 国の平和と統一
の道を 開いていこう』 である。
これは,1992年2月20日に,金日成主席 (当時) が南北高位級会談代表団
と面談した際に出された談話を纏めたもので,『北南間の和解と不可侵および
協力・交流に関する合意と朝鮮半島の非核化に関する共同宣言が発効すること
になったのは,国の平和と統一を志向するうえで,一つの里程標となる画期的な
出来事です』 など述べている。

この小冊子・・・,
色は違うものの,ハンディタイプであるところなどは,1960年代に北京放送局
(現・中国国際放送局) から送られてきた 『毛沢東語録』 を彷彿とさせるものだ。

そして,気になることは・・・。
冒頭に書いた 『茶封筒』 の紙質は,『人工衛星』 を打ち上げるほどの国の経済
事情を物語っているかも知れない,放送委員会の名称は 『ラジオ』 が先で,『テレビ』
が後であることは,隣国ではテレビよりはラジオが主流であることを示しているかも
知れない,あの国の普通の人々はどんな暮らしをしているのだろうかと気になる。

なお,『金日成花』 については諸説があるようだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%97%A5%E6%88%90%E8%8A%B1
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%97%A5%E8%8A%B1

( 当ブログ過去関連記事 )
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/34131982.html
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/23227773.html
http://blogs.yahoo.co.jp/swl_information/26993704.html

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